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    のらびとメールマガジン(第574号)

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野良人(のらびと)の生活におけるそこはかとない話題
を野菜や畑の情報と共にお届けするメールマガジンです。

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         今週の話題
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6月も終わりつつありますがやっと梅雨に入ったようで
す。しかし今年の梅雨は7月に入ると早急に明けるかも
しれないという予報も有ってどうなるか心配です。既に
かなり気温の高い日が出始めており、かなり早い梅雨明
けをしたらどんな気温になるのか不安でも有ります。

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        今週の主な野菜
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 ・玉ねぎ
 ・人参
 ・ジャガイモ(トウヤ)
 ・ズッキーニ
 ・キャベツ
 ・キュウリ
 ・インゲン
 ・ニンニク
 ・赤玉ねぎ
 ・大玉トマト
 ・枝豆
 ・トウモロコシ
     
  など

※出荷する野菜はS、M、Lのセットによって異なります。

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        旬の野菜の紹介
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やっと大玉トマトが採れました。まだ数が少ないのですが
一年ぶりの大玉トマトはやはり美味しいです。今年のトマ
トは採れ始めたばかりなので今後の事はどうなるか分かり
ませんが、毎年いろいろと工夫を重ねてつくっているので
いいトマトが長く採れたらうれしいです。

枝豆が採れました。今回の枝豆はカメムシの被害にもあわ
ずに豆が大きくなったように思います。枝豆は4回ほどに
分けて種まきしているのでうまくできたら何度もお届けで
きそうです。

トウモロコシも採れました。トウモロコシは2回ほど種ま
きしているのですが最初のものが採れました。ややサイズ
が小さいかもしれませんがこれは色々な理由が有ってやや
早めに収穫したからです。トウモロコシもうまくできたら
何回かお届けしたいと思います。

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        のらびとコラム
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トウモロコシを作る事の難しさ


トウモロコシは毎年作っているが商品としてお届けしよう
とするとこれが結構難しい。

トウモロコシは4月に入るとすぐに種まきをしてハウスで
育苗をして4月後半くらいに20センチ位で畑に定植する。

気温が低いとなかなか大きくならないし定植直後は生長が
足踏みして一向に大きくならないが、ある時点からいきな
り大きくなるのが特徴である。とにかく堆肥をたくさん喰
うのでたくさん堆肥をあげて体が大きくなるようにする。

トウモロコシを作るのに大変な時期はフサフサの雌しべが
出て実が大きくなり始めた頃からである。トウモロコシは
とにかく害虫が入りやすく、アワノメイガという蛾の幼虫
が実が大きく育つ頃から中に侵入して実を喰い荒らすのが
被害の大半を占めるくらいである。

トウモロコシというとお盆のころに田舎に帰って食べるも
のというイメージが有るが、そんな時期に作るのは無農薬
ではほぼ無理で大半がアワノメイガの餌食になってしまう。

だから寒さが去った4月に出来るだけ早く種を蒔いて害虫
からの先行逃げ切りでなんとか収穫を狙うのである。いま
育てているトウモロコシは2回分あるが2回目の分はきち
んと収穫できるかさえ分からない。これも運次第であって
場合によっては害虫によって全滅という事も少なくない。

トウモロコシはとにかく甘くてお美味しい。こんなにおい
しいものを屋外に放っておいて無事なはずがない。だから
カラスやハクビシン、イノシシなど害獣ブラザースの被害
からあらゆる手段でトウモロコシを守らないとならない。

カラスは飛んでくるので周囲に糸を張って近寄れないよう
にする。カラスの侵入を許すと育ちかけの実があっという
間に突つつかれて駄目になってしまう。イノシシに関して
は周囲に電柵を張って防ぐしかないが、これもハクビシン
と同様で防げるとは限らない。

去年は2回目のトウモロコシがすごく良く出来ていたがト
ウモロコシが大きくなる前からハクビシンの被害が出始め
て防ぎようが無く、このままハクビシンに喰われるくらい
ならと泣く泣く全部刈り取って捨てた。

とてもいい出来だったのでかなり残念だった。

イノシシもハクビシンも基本的には防げないので両者が出
ない場所に作るしかなく、それでもやられ始めたら諦める
のが普通だ。電柵も有るが万能ではなく敷設に手間がかか
る割に効果も薄いのであまり使う前提にはしたくない。

そして実はもっとも手強いものがカメムシ被害である。カ
メムシはトウモロコシの実が大きく成りはじめる頃に出は
じめて、皮の外から実に口の管を差し込んで中の汁を吸っ
てしまう。吸われた実は凹んでしまってダメになってしま
うし、大発生したカメムシによってほぼ全ての実が吸い尽
くされることも有る。去年の1回目のトウモロコシはそれ
でほとんどがダメになってしまった。

アワノメイガも同じだがカメムシ被害を防ぐ人は農薬を使
うしかない。実際にアワノメイガに関してはとても有効な
農薬が有るので被害は防げるようだ。世間一般に出回って
いる旬のトウモロコシは100%農薬によって害虫被害を
防いでおり、表面がつるつるきれいなトウモロコシは農薬
のお陰である。無農薬でトウモロコシをきれいに作ろうと
する事は世間知らずで愚か者の酔狂な行為であり、実際に
やってみると如何に無駄な行為であることを実感する。

カメムシやアワノメイガは防虫ネットで物理的に実に触れ
られないようにすることも考えられるが、高さが2m以上
になるトウモロコシを防虫ネットで覆うのは難しく、ハウ
スのような背の堅い構造物を防虫ネットで覆うしかなく、
トウモロコシのみにそのような手間のかかる手段を使用す
るのは考えにくく、やっている人をまず見た事が無い。

カメムシはいつのまにか被害に有っている事が多く、先週
は大丈夫でも今週は壊滅しているという事が多々ある。だ
からカラスやハクビシン、イノシシの被害と同様に、被害
を受ける前に収穫してしまうというのが一番の被害の回避
策であり、おいしいトウモロコシが奴らに見つかってしま
う前に収穫してしまうというゲリラ的な栽培が結構有効な
のである。

遅くまで放っておいても被害が無いとしたらそれは相当な
ラッキーな事であり、これは神に感謝しないとならない。

今週お届けしたトウモロコシも本来はもう少し待って太っ
てから収穫したかったが、特にカメムシに関しては被害が
出はじめたらもう終わりなので、少し早くてサイズも小さ
いのだが待ちきれないで収穫してしまったのである。

収穫したものを食べてみるとやはり少し早くて小さい気も
するが十分美味しいトウモロコシであった。茹でたてより
も冷蔵庫で冷やしてからの方が甘みが出るようだ。

ただ、願わくばもう少し大きくなってから収穫した方が美
味しいのだろうが、それでカメムシ被害に有ってしまった
ら後悔してもし切れない。去年はカメムシにひどい被害を
受けたし、今年も色々な面でカメムシ被害が広がっている
事から用心してもし過ぎなことは無い。

トウモロコシは1回目の分があと半分残っているのでまだ
出荷できるが来週まで大丈夫という保証はない。

それから2回目のトウモロコシが既に実をつけつつあるが
そちらの方は更にカメムシや害獣の被害を受けやすくなる。

アワノメイガの被害を極力少なくしようと早く作った今回
のトウモロコシも実は3分の1くらいは被害が有ってこれ
は出荷できないのだが、これは自分で全部きちんと食べる
のでまあ良しとする。

とにかくトウモロコシという野菜はどこでも見かけるあり
ふれた食べ物であるが、実は無農薬できれいに作ろうとす
ると、とても大変だという事が身に染みて実感できる。

スーパーに売っているトウモロコシを見たら先の方の実が
やや潰れたようになっている商品を見かけた。これは紛れ
もなくカメムシの被害を受けたものだと思うが、農薬を使
っていても防ぎきれない場合も有るのだと思った。

茹でてホクホクとおいしいトウモロコシが無防備に屋外に
置いてあって、たまたま腹を減らした押さえどころが無く
常識のない人がそれを見つけたらどうするだろうか。

一も二も無く、すぐにかぶりつくのではないか。

これがカメムシなどの害虫やイノシシなどの害獣だったら
どうなるだろうか。当然話して通じる相手ではない。

無農薬でトウモロコシを畑に作るとはそういう事だろう。

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         あとがき
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来週くらいからナスとピーマンやシシトウなどが出せそう
です。ナスはやや遅れるかもしれません。

今年の夏は猛暑だという予報が出ているので今後どうなる
か分かりませんが、なるようにしかならないと思います。

今年は大災害などが来なかったらそれで良しと考えます。

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発行日:2024年6月26日