毎年サツマイモを作っているのだが大きな問題は天敵のイノシシに対して、どのような対策を取るかだ。

イノシシが出ない畑にサツマイモを作るのが一番の対策には違いないがどの畑も絶対にイノシシが出ないというわけではなく、どの畑に作っても何らかの対策をしないとならないのが現状である。

まずイノシシ対策の方法は電気柵以外には考えられない。

畑全体を金網のようなもので囲ってしまう事も考えられるが資材と手間がかかり過ぎるし、完全に囲ってしまうと草刈りなどがしにくくなってトラクターで耕耘する際にも雑草が残ってしまって後々困るという問題が生じる。

銃や罠でイノシシを退治してしまう方法も有るが数は減らせても農業被害を防ぐ上での根本的対策にはならない。

そこで一番費用対効果が高いのが電気柵という事になる。

電気柵は畑を囲うようにポールを立ててその間に電線を張って電気を流し、イノシシに電気ショックを与えて畑への侵入を防ぐ装置一式の事を言う。人間が触っても被害が有ることは無いが結構なショックを感じて驚く。

今までサツマイモは少し離れた同じ畑に連続して作っていたが何度も連作していて土質も良くないので、以前から電気柵を常設してある畑に今年から作ることにした。ちなみに今までもサツマイモ畑は常に電気柵を張っていた。

新しい畑はイノシシが常に出る場所なので周囲を電気柵で囲って常に電気を流していたのだが、電気ショックを発生させる装置が不調となってしばらく外して家に持ち帰って直していた。その期間は電気を流していなかったのだが一度イノシシに中にはいられた跡が有った。

そこでサツマイモを植える前に電気柵に装置をつないで電気柵の機能を再開してからサツマイモの苗を植えたのだが、その直後にイノシシの侵入を許して相当な数のサツマイモの苗が荒らされてしまった。

毎度の事なのだがイノシシに畑を荒らされたのを見ると本当にイノシシに対する怒りと殺意で頭の中がいっぱいになって何も考えられなくなってしまう。自分の見てない時に畑に入ってやりたい放題に荒らして糞さえ残していくイノシシは本当に銃でも有ったら殺してやりたいところだ。

イノシシ被害ではなく、例えば家に泥棒に入られるとか車などの盗難に遭った人などは同じような気持ちになるのではないだろうか。それくらいに怒りを感じる。
 

怒ってばかりいても何も解決しないのでとにかく出来る対策を打つことにした。新しい畑は常に電気柵を張って有って電気ショックも一年中流している畑なのだが、それでもたまに中にはいられてしまう事が有った。

それは畑の一部がその上の土地から下った地形になっていてイノシシが坂を駆け下りてくると勢いで電柵を突破してしまう事になるからだった。

意図しないで電柵の中にはいってしまったイノシシは出るに出られなくなり畑の中を荒らした末に無理やり出ていく事になって被害が大きくなる。

そこでこのタイミングでずっと分かっていたけどそのままになっていた電気柵の位置をややずらしてイノシシが勢いで中に入ってこないような位置に張り直した。

これがどれくらいの効果が有るかは分からないが、イノシシが一度入る事を許してそのままにすると、それ以降は常態的に侵入するようになってイノシシのえさ場になってしまう。そうなったらもうどうしようもないので可及的速やかに確実な対策を打ってイノシシを徹底的にあきらめさせる必要が有る。とにかくしつこくやるしかない。

本当はイノシシが電気ショックで即死するくらいの電気を流したいところだが、そんな事をしたら誰か人間が死んでしまうかもしれないので出来ない。実際にそんな事件が起こって不幸にも無関係な人が死んだことも有ったようだ。

イノシシは一時アフリカ豚コレラの流行によって数が減ったのだが最近はまた増えてきたようだ。

イノシシとの終わらない戦いはこれからも続くだろう。

イノシシの被害を防ぐのにも大変なのだから、もっと知恵を持った人間の犯罪を防ぐのが如何に大変かが分かる。

窃盗などの犯罪をする人間が即死するくらいの電気柵を設置したら犯罪は減るだろうが、まあ道義的に無理だろう。

窃盗などの犯罪が無くならないのが分かる。