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    のらびとメールマガジン(第568号)

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野良人(のらびと)の生活におけるそこはかとない話題
を野菜や畑の情報と共にお届けするメールマガジンです。

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         今週の話題
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ハウスの箱苗の種もみが芽を出してだんだんと育ってき
ました。田植えは5月末を予定しているので田んぼの準
備を進めていますが田んぼに水が入らずに苦労していま
す。周囲の田んぼを使っている米農家は基本的に自分の
田んぼの事しか考えていないので水も自分の田んぼだけ
に入ればいいと考えて行動します。だから相手に自分勝
手にやられるだけだと結局は自分は何も得られないので、
多少関係が険悪になっても主張するべき事を通すように
します。米作りに限った事では無いのですが自分から行
動しないと何も得られないので大変です。

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        今週の主な野菜
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 ・小松菜
 ・サツマイモ
 ・里芋
 ・大根
 ・水菜
 ・玉レタス
 ・カブ
 ・玉ねぎ
 ・ニンニクの芽
 ・チンゲン菜
 ・サニーレタス
 ・コスレタス
 ・スナップエンドウ
 ・絹さや
 ・間引き人参

     
  など

※出荷する野菜はS、M、Lのセットによって異なります。

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        旬の野菜の紹介
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気温が上がって葉物の生長が早いのでどんどんおおきくな
ってしまいます。葉物は何回分も作っているのですが先の
分をどんどん出してしまうと後の方に出す分が無くなって
しまうので、何とか出来るだけ今ある分を出したいのでや
や大きなものが増えてしまいます。

大根がやっと普通のサイズになってきました。人参もだい
ぶ太ってきたのですがまだ間引いたものを出しています。
今年は春の人参はたくさん作っているのでこれからはキチ
ンとしたものを出せそうです。今だしている人参は2月上
旬にビニールトンネルに種まきしたものなので3か月たっ
てやっと出荷できるサイズまで育って来ました。

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        のらびとコラム
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暴走するおっさんたちは何を思うか


先日畑で仕事をしていたら遠くから大きな大きな音が聞こ
えてきた。いったい何の音だろうか。ヘリコプターが飛ん
でいる音のようにも思えるが少し違う。

その正体はすぐに分かった。マフラーを改造した暴走族の
連中が巨大な音を立てて広域農道を何台も走っている。

その日は休日で時間は昼過ぎである。暴走族が出るにはあ
まりに場違いの状況なのだが暴走族の連中のオートバイの
爆音は途切れる事が無い。恐らく150台以上の集団だっ
たと思うがとにかく30分くらいの間ずっと辺りは爆音に
包まれて不快極まりなかった。

いわゆる不良のガキたちが集団でオートバイで大きな音を
立てて不法行為をする暴走族が流行った1980年代の頃
はその活躍の場は夜中であった。辺りがまだ明るい時間帯
に暴走族が出るのは完全に場違いで例えるならば太陽がさ
んさんと降り注ぐ芝生の上で日陰者たちが違法賭博を繰り
広げるようなものである。それくらい異様なものだ。

そもそもアンダーグラウンドな行為をする連中は陽の目に
出るのを嫌って暗くて目立たない場所にいるのが相場だ。

しかし今回の暴走集団は休日のサンサンと太陽が降り注ぐ
昼下がりに堂々と暴走行為を繰り広げていた。巨大な音を
立てて時折蛇行運転などの反社会的な行為をしていた。

しかしこの連中は昔の暴走族とは決定的な違いが有る。

それはきちんとヘルメットを被ってナンバーがきちんとつ
いて道路交通法的には違法ではないオートバイに乗ってい
る。そして赤信号はきちんと止まって待っている。

だから普通に見たら単なるオートバイ集団とかわらないの
だが、この連中は時折蛇行運転をしてみたり意味も無く巨
大な爆音を立てて明らかな違法行為を繰り返してる。

この連中がいったい何を求めてこんな事をしているかとい
うと、一応形だけは法に則ったいで立ちをする事によって
警察につかまるような事を避け、安全だと判断したらその
時だけちょろっと舌を出しながら違法な暴走行為をしてい
るのである。全く暴走族も心底落ちたものである。

現代社会に不満を持った少年たちがアウトローを気取って
夜な夜なバイクで暴走行為をして無意味な自己主張を繰り
広げ、時によっては暴走族同士でケンカをしたり警察につ
かまったりしていたのが暴走族という存在そのものだった。

それが今は表向きはきちんと法を守って行動し、晴れた休
日に集団の中で少しだけ羽目を外して違法行為をするだけ
が目的の哀れな珍走集団に成り下がってしまった。

法に触れない範囲での極めて合法的な暴走行為なのだろう。

もちろん今の暴走族が本当にそういう存在になってしまっ
たのかは知らないが、少なくとも先日見た150台にも及
ぶ珍走集団に関しては間違いなく合法的な暴走行為を楽し
んでいる本当に従順な飼い犬的で情けない連中であった。

そんな集団に不思議な連中を見かけた。それは明らかに若
者ではない30~40歳、下手したら50~60歳くらい
の紛れもない「おっさん」がその暴走集団に混じって暴走
行為をしている姿だった。

顔を見ればわかるが誰が見ても立派なおっさんと分かる連
中が合法的な暴走行為を楽しむために150台の暴走集団
に相当数混ざって違法行為にいそしんでいたのである。

これは本当に悲しい光景であった。このオッサン連中は何
か辛い事でもあったのだろうか。それとも昔を懐かしんで
思わず羽目を外してしまったのだろうか。

暴走族仕様のオートバイの三段シートにまたがり、派手な
特攻服を着て蛇行しながら爆音を立てて走っていくおっさ
んのその姿は筆舌に尽くせない程に痛々しく、それなりの
歳を積み重ねたゆえの哀しさを身に纏っていた。

もう社会に出てから久しいこのおっさん達は月曜日には普
通に社会に戻って普通のつつましく日常生活を謳歌してい
るのだろうか。まるで夢の世界から舞い戻ったみたいに。

若気の至りという言葉があるが、どうみてもおっさんの領
域に達している人間がいまだに善悪の分別をわきまえられ
ないような行為をしているのを見ると、こいつらは一生死
ぬまでこうなんだろうなと思わざるを得ない。

そして普段もそんな行動をしているのだろうと想像する。

赤信号みんなで渡れば怖くないという格言が有る。

同じような行動をする連中に紛れてしまうと普通ではでき
ないような事を平気で出来てしまうという例えだ。

しかし赤信号は平気で渡れても道を走って来る車が自分の
存在に気づいているとは限らない。

車に跳ねられて飛ばされつつ、冥土への旅立ちを感じなが
ら初めて、ああやはり赤信号は渡ってはいけなかったのだ
と気付くのかもしれない。

まあ、どの時点で気づくのかは個人の自由で有るのだが、
他人の迷惑になる行為をすることは、その行為が結果的に
自分を束縛して不利益をもたらす事が多いのは事実だ。

人の振り見て我が振り直せ、という事を肝に銘じたい。

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         あとがき
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田んぼで米作りをやると必ず感じるのが水の取り合いとい
う競争行為の存在である。田んぼは水が無いとできない。

だから昔から百姓は殺し合いになる程に水に執着する。

今の時代は米が無いと命にかかわるという環境ではないが
それでも米を作っていると水に対してどんどんと執着して
自分の田んぼの為に水を確保したいと感じるようになる。

これは絶対に田んぼをやってみないと分からない。

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発行日:2024年5月15日