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    のらびとメールマガジン(第557号)

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野良人(のらびと)の生活におけるそこはかとない話題
を野菜や畑の情報と共にお届けするメールマガジンです。

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         今週の話題
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2月が終わりますが冬の野菜がだいぶ終わりが近くなっ
てきました。2月は一度はとても暖かくなったのですが
後半に向かってまた冬の寒さが戻って来て野菜のトウ立
ちもやや足踏みをしました。しかし今年はやはり暖かい
ようで全体として野菜の春のトウ立ちは例年より早いよ
うに感じます。端境期にはまだ早いのですが3月の野菜
が確保できるか心配になってきました。

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        今週の主な野菜
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 ・小松菜
 ・ほうれん草
 ・サツマイモ
 ・里芋
 ・長ネギ
 ・カブ
 ・赤カブ
 ・大根
 ・キャベツ
 ・人参
 ・白菜
 ・ブロッコリー
 ・カボチャ
 ・玉ねぎ
 ・ジャガイモ
 ・切り干し大根
 ・芽キャベツ
 ・ニンニク
     
  など

※出荷する野菜はS、M、Lのセットによって異なります。

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        旬の野菜の紹介
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今年の白菜が終わりました。だいぶみすぼらしくなってし
まいましたが最後の白菜を出しました。キャベツは葉が所
々黒っぽくなってしまっている所が有りますが、これは寒
さで傷んでしまったものです。まだこれから育ってくるキ
ャベツも有るのでそちらのキャベツは大丈夫だと思います。

今回入れたジャガイモはマチルダという品種です。この品
種はとても晩生のもので遅い時期まで保存できるのですが、
それでもだいぶ芽が出始めています。3月中旬には今年の
ジャガイモを植える時期なのでまだジャガイモが有るのは
ありがたい事です。本当にジャガイモは長持ちする野菜だ
と感じます。

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        のらびとコラム
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今年はどうして山芋とヤーコンが無いのか


今年の冬の野菜は去年の夏の猛暑と干ばつのせいで色々と
悪い影響が出ていた。例えば白菜やキャベツ、ブロッコリ
ーなどに害虫が大量に発生して生長に支障が出たり、やは
り里芋やサツマイモにも干ばつや猛暑の影響で生長障害が
出たりして冬の間の野菜の確保が大変であった。

また去年の夏の影響かは分からないが冬向けの葉物で後半
に作付けしたものの多くがハダニの被害を受けて予定して
いた収穫の計画がだいぶ狂ってしまったという事も有る。

野菜が害虫や病気の悪影響を受ける真の原因は良く分から
ない事が多いが、過去の経験からは異常気象が発生すると
病気や害虫による被害が多くなる傾向が有るのは事実だ。

そういう意味では今年の冬の野菜の状態は去年の夏の猛暑
の影響を悪い意味で強く受けていると考えるのが普通だ。

それでも多くの野菜は辛うじて収穫出来てきたのだがほと
んど収穫出来ていないものが有り、それが山芋とヤーコン
だ。どちらも去年の冬はある程度は採れていたものだ。

山芋は5月くらいに種イモを植えてツルが出るのを待って
更にツルからどんどん葉が出て繁ってくると地中の芋が育
ってくるのだが、今年は猛暑と乾燥で地上のツルがみな枯
れてしまってほとんど芋が育たなかった。これは種イモに
も原因が有ったせいも有るが、真夏の猛暑の時期に一気に
葉が枯れてしまった事からも乾燥に原因があるのは確実だ。

もう一つはヤーコンだが、これも同じ真夏の時期に乾燥に
よって葉が枯れてしまってほとんど生長しなくなってしま
った。すぐ横には里芋が有ってこちらも乾燥で葉が枯れ、
その後にヨトウムシが大発生してトドメ的な決定打を受け
て里芋の収穫がかなり減ってしまった。

乾燥によって枯れかけたヤーコンは葉が育たず、収穫時期
に掘ってみると本当にクズのような小さなヤーコンしか育
っていない。加えてヤーコン自体も割れのような傷が多く
てとても出荷できるような状態ではなかった。

これから今年は山芋とヤーコンが無い理由である。

山芋もヤーコンも里芋も同じような時期に育って地中に作
物ができる野菜であるが、猛暑はともかく乾燥によって葉
が枯れるなどの影響が有ると収穫も大きな影響を受けてし
まう。真夏の乾燥時期にやむを得ずに畑に水を遣ることも
有るが、連日35度くらいの気温で乾燥した畑に少々の水
など遣っても本当の意味で焼け石に水である。

今年は失敗してしまった山芋とヤーコンだが来年は大丈夫
だろうとタカをくくっても居られない。なるべく乾燥が少
ない畑を選んで栽培するなどの工夫が必要だろう。

ただ乾燥しにくい畑は言い方を変えたら湿気る畑である。

乾燥を想定するならいいのだが、予想が外れて雨ばかりの
年になったらむしろ悪い影響が出てしまいかねない。

水は少な過ぎるのも、多過ぎるのも良いことは無い。

風呂の湯加減のように丁度良いのがいいのである。

ただ自然相手に風呂の湯加減のような調整は利かない。

栽培する畑を選ぶとか野菜の品種や栽培方法を決めるとい
う事は毎年自然相手に博打を打つような心境である。

当たればメリットもでかいが、失敗するとショックが更に
バカでかい。そこそこを狙って何とかなるものでもない。

近年の天候は博打的な要素が大きくなっているようだ。

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         あとがき
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今週は夏野菜のトマト、ナス、ピーマンなどの種まきをし
ました。今年もいよいよ農繁期がはじまりました。

まず苗をきちんと作る事が収穫に向けた第一歩なのでスタ
ートで失敗しないように気をつけたいです。

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発行日:2024年2月28日