今年の白菜はあまり良くありません。

白菜は9月上旬にセルトレーに種を蒔いて苗を育てて9月末に畑に植えるのですが、畑に植えたとたんに虫に喰い荒らされて無くなってしまうものが多いです。防虫ネットを必ず張るのですが土の中から出てくる虫によって喰われてしまいます。コオロギなどが喰っているようです。

初期の害虫による食害を免れて葉が増え始める10月には今度はヨトウムシなどに喰われて葉が無くなってしまったり著しく生長が遅くなったりし、寒くなるまでに葉を増やすことが出来なくなるものが出てきます。

葉が増えないと白菜の巻きがあまく緩くなって冬の寒さに耐えることが出来ず、しっかりと締まった白菜にならないばかりか厳しい寒さで傷んで枯れてしまいます。

今年の白菜は虫による被害でしっかりと葉が巻かない状態で冬に入ってしまったのに加え、畑に発生したハクサイダニという害虫によって葉の養分をみんな吸われてしまって状態が良いものが少ないです。

普通の害虫は冬は寒いので活動しないのですがアブラムシとハダニの類は冬など関係なくどんなに寒くても活動します。加えて今年の暖冬と雨が降らない状況はハダニにとってとても活動しやすい状態で野菜は大きな被害を受けます。

アブラムシやハダニが発生する原因は畑の状態や野菜の作り方などにも有るのですが、はっきりいって予測ができず今年は大丈夫と思っていてもいきなり大発生する事が有ります。そして一度発生すると農薬を使わないとどうしようも有りません。

無農薬栽培においてアブラムシやハダニの対策はなるべく虫が出るような環境にしない事の他には祈る位しかないのが正直なところです。

そんなあまり状態の良くないハクサイですが、葉の表面や端の部分に黒い点やマダラのようなものが出てくることが有りますが、これは「ゴマ症」といって、抗酸化物質のポリフェノールが黒くなったものです。かびたり傷んだりして黒くなっているわけではありません。

味には変わりなく食べても何の問題も有りません。ただ冷蔵庫などで長期に保存していると発生することも有るようです。早めに食べることをお勧めします。

あと、白菜を切ってみると中の葉が鮮やかに黄色いものとそうではないものが有るのですが、これは白菜の品種による違いです。葉が黄色ものは黄芯という品種で比較的に新しい品種のものが多いです。

中の葉があまり黄色くない品種は古めの品種が多いようで、私も両方の品種を作っていてこれからの時期に出せたら出していこうと思っています。

ちなみに黄色い葉の品種も味はあまり変わらないようです。