奥様たちの会話を聞いていたら、

 

「あら、あなたやっぱりいくつになっても精神年齢若々しいわ!」

 

「若い人と一緒だから、やっぱり精神年齢も若くなるのよねー」

 

という言葉を耳にしました。

 

ふむふむ。

 

精神年齢若い、か。

 

たぶん、いつまでたっても若くてうらやましい、という羨望の気持ちを込めて、誉め言葉で使っている

 

のだと私は思うのですが……

 

実は、精神年齢若い、ってのは正確には誉め言葉とは限りません。

 

 

 

精神年齢という言葉は、医学や心理学でよく使われる"mental age(メンタル エイジ)"

 

という言葉の日本語訳ですね。

 

この"mental age"ってのは、いったいどういう場面で使う言葉かというと、実は人間の知能を測定する際に

 

使用する一つの指標なのです。

 

「知能」ってのは、物事を目的的合理的に課題解決するための種々の能力の総合値のことをいいます。

 

批判覚悟でざっくりいうと、「頭の良さ」ですね。

 

精神年齢はこの知能を測定するときに使用するものでして、

 

精神年齢/暦年齢(実年齢)×100=知能

 

という感じで計算されるものです。

 

ちょっとわかるように例題出すと…

 

10歳なのに、18歳の青年が解ける問題をすらすら解いてしまう少年がいるとする。

 

この少年の知能は、

 

18/10×100=1.8×100=180

 

ということになるわけです。

 

逆に10歳なのに、8歳くらいの問題しか解けないという場合には、

 

8/10×100=0.;8×100=80

 

で、知能指数80ということになるわけです。

 

このように、知能を測定するための指標として、その人が現在何歳程度の課題解決がこなせるかを

 

表現した数値が、「精神年齢」と呼ばれるものなのです。

 

さて、ここで最初の奥様方の話に立ち返ってみましょう。

 

「精神年齢」とは、頭の良さを表すための数字です。

 

で、暦年齢が一緒ならば、この精神年齢が高ければ高いほど、

 

その人の知能は高く算出されることになります。

 

10歳の子が18歳の精神年齢だとすると、

 

18/10×100=180

 

10歳の子が20歳の精神年齢だとすると、

 

20/10×100=200

 

ほらね。

 

つまり、精神年齢は高ければ高いほど高めの知能となるのですよ。

 

だとすると、精神年齢低いとか、精神年齢若いというのはイコール「知能低めよ、あなた」的な

 

ことになるわけですね。

 

はい。

 

もちろん、そんな余計なことは奥様方には申し上げず、ただただ笑顔で場を和ませるのでした。

 

余計なことは言いません。

 

口は禍の元です。

 

でも、これからのためにぜひ覚えておきましょう。

 

精神年齢若い、は聞く人によっては「なんだと?!」になりうる言葉かもしれません。

 

……まあ、よっぽどひねくれものか、よっぽど勉強した人じゃないと、ムッとくることはまずありませんがね。