通夜の挨拶で

残ったものが一つ。

 

こころの傷

そして

戸惑い

 



 

妹が姉に優ったものは

かつて一つもなく

妹は

仕事の場でも

ずっと思っておりました。

「もし お姉ちゃんなら もっとうまくやれる」

と。

 

 

それは

姉の結婚式で姉のスピーチを聞くまで

続きました。

 

 

 あ スピーチは

 あたしの方がうまい

 


妹には新鮮な驚きでした。

コックを生業とする人が料理が上手で、

裁縫で身を立てる人が針を器用に使うように、

妹は話すことが上手でした。

その後、

妹は「もし お姉ちゃんなら」は

思わなくなりました。

言い訳がなくなってよかったです。


 

 

通夜では妹が挨拶でした。

出棺と告別式は姉が挨拶でした。

帰宅して姉は開口一番

夫に言いました。

 

 

 どうせ

 わたしは下手だ

 

 

しばらく姉は夫に荒れました。

妹にも荒れましたが、

妹には挨拶のこととは言いませんでした。



夫は火葬場で

 いやいや

 夕べは

 腹ん中で爆笑しちゃったー

 △△して〇〇して◇◇してる人が

 まあ 立派になっちゃって。

    笑っちゃまずいしさあ

    苦労したんだぞー

妹に言いました。

褒めた夫が荒れを受け止めました。

 

出来損ない同士の軽口のたたき合い。

あれは褒め言葉なのか?!

てめえ もういっぺん言ってみろ!!ってやつなのに

 

 

 

葬儀参列の誰もが

姉こそ

実家を支えてきたと知っていました。

声なんて関係のないことです。

 

 

 

でも

これからやらねばならぬことで

頭もいっぱいストレスは満杯の姉には

そんなことも棘になる。

こそこそと

出来損ない同士は電話で相談しました。

 

 

 ちょっと 待ってようか(相談を)

 うん 少し離れとけや

 

 じゃ 帰るね

 おう すぐ落ち着くさ

 

そして

妹はとことこ遊びに行き

自分ちに帰りました。

 

 

スピーチなんて家族の前でやりません。

だから、

妹の方ができることなんて、

姉は見たことがありません。

 

 

むずかしいなって思いました。

 

 

 相談が火曜日になっちゃった……。

 

早い方がいい。

やっぱりお兄ちゃんは

早く動いてくれました。

 

でも

決めるのは じいいいっと待つ。

決める権利があるのはお姉ちゃんだから。

挨拶がお姉ちゃんなのは、

お姉ちゃんこそ挨拶するだけの今までを積んでいるから。

 

そんなんで揺れるなよー

出来損ないコンビは心配しました。




ポイントはお家をどうするか

何ができるか

明日 また 行ってきます。

 

 

※出来損ないコンビの裏話

 俺ら もともと馬鹿だもんな

 〇〇ちゃんは大変だ

 

画像はお借りしました。

ありがとうございます。


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