「西美をうたう
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短歌と美術が出会うとき」
佐藤直樹国立西洋美術館主任研究官編集
国立西洋美術館発行
2000年7月~10月「西美をうたう」カタログ
国立西洋美術館、略称〝西美〟で出会う彫刻や絵画に
歌人らが歌いました。
細長ーい。
開くと古文書みたいです。
まず「考える人」
雨の日も考えている、君のこと遠き星のごと近き樹のごと
佐々木幸綱
百年じゃあ答えが出ない人間は樹木は生きて何をしている
小島ゆかり
下にはロダンについての一文がつきます。
そして、
地獄の門
満月は半分欠けたが地獄の門はまだ見えるなり
高瀬一誌
ほのぐらき意識の奥に地獄門立てり逆巻く阿鼻叫喚のこゑ
森山晴美
くすり
と笑っちゃいました。
天から落っこちちゃった仙人さんとちがって
がんばりますね、聖アントニウス。
「聖アントニウスの誘惑」アンリ・ファンタン・ラトゥール画
美女裸女に
かこまれ魂も
蕩けなむ
聖者は天見る
天の神見る
岩田 正
そして、
ムンクのマドンナ
限りなくやさしい君に添寝するタプタプタップ海のようだね
奥村晃作
モローのサロメでございます。
背後にて斬首まつヨハネを意識してサロメはうつむき眼線およがす
松坂 弘
守るべき女の誇りに奪らむ首 夜の牢獄黄の薔薇かおる
佐藤洋子
頁を繰るごとに
まあっ
と
こころ惹かれます。
2000年、
子育て真っ最中でございました。
西美もとんとご無沙汰となり
展覧会の情報にも疎くなっておりましたっけ。
このカタログで出会えまして
ほんとに嬉しく思います。
先ほどまで
2010年放映の福島を訪れた志村けんさんご出演の鶴瓶さんの番組を
拝見しておりました。
震災前の町並みを
志村けんさんが歩きます。
2000年か………。
明日には緊急事態宣言が出ようかという今は
想像もつきませんでした。
そして、
こんな趣向の展覧会があったなど
その頃には思いもよりませんでした。
不思議な思いがいたします。
画像はお借りしました。
ありがとうございます。
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