電気消すよ
俺は部屋を暗くした。

甲高い悲鳴が闇をつんざいた。
慌てて消したばかりの照明をつけると、
ほの暗いベッドに瑞月は震えていた。

「それはつけておくんだ。
 暗くはしないことにしている。」
佐賀さんが落ち着いて答えた。

「ごめんよ。
 暗いのは苦手なんだね。」

瑞月は振り向かずに頷いた。

俺と過ごした一週間、
昼に寝て夜は練習だった。
知らなかった。

ほの暗い寝室に
暗闇に怯える少年が
ただここしかないと全身ですがるように
佐賀さんの胸に身を埋めていた。


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