さて、
自分の美容室予約を忘れていまして、
本日はモロー展は延期となりました。


書割製作が続きます。
語彙の乏しさにため息をつく内に
眠くなる。
そんな連休でございます。





昭和名作集
次は

「夏の花」原民喜著


今、読了いたしました。
原さんご自身の記録です。
1945年8月6日と続く日々の記録です。
ご自身は厠にいたそうです。
夏の花は、
原爆投下の二日前、
原さんが奥さまのお墓に供えたお花です。





みんな、
はじめ自分の家だけ爆撃されたものと思い込んで、
外に出てみると、
何処も一様にやられているのに唖然とした。
それに、地上の家屋は崩壊していながら、
爆弾らしい穴があいていないのも不思議だった。
あれは、
警戒警報が解除になって間もなくのことであった。
ピカッと光ったものがあり、
マグネシュームを燃すようなシューッという軽い音とともに
一瞬さっと足もとが回転し、
………………それはまるで魔法のようであった、
と妹は戦きながら語るのであった。





最後にNの記録がつきます。
原さんが
ご自身の記録以外に
どうしても書き留めたかったものと思います。






 Nは一番に妻の勤めている女学校に行きます。

 教室に生徒の骨が
 校長室に校長らしき白骨がありました。



 自宅への道に斃れている死体を
 一つ一つ調べました。

 水槽の中に折り重なる十をこえる死体。
 河岸にかかる梯子に硬直する三つの死骸。
 バスを待つ行列の死骸は前の人の肩に爪を立てていました。



 収容所を回りました。
 妻はいませんでした。


そうして、
三日三晩、
死体と火傷患者をうんざりするほど見てすごした挙句、
Nは最後にまた妻の勤め先である女学校の焼け跡を訪れた。

青字の文が結びです。




続けて
原爆小景を読み返しました。
9編あります。
その9編は合唱曲になりました。
それは4番まであります。




9編目の詩であり
4番の歌詞である「永遠のみどり」は
昭和46年に完成をみました。
今永遠のみどりを聴き終えました。
ネットとは有り難いものです。


「夏の花」には、
祈りである〝永遠のみどり〟までの記録が
入っています。



本当に
これだけは書き留めたいと思うとき
情念は消え
事実だけが残り
その事実に心が浮かびます。
それを学べる作品でもあります。


 だから
 決して戦争は選んではいけない。

押し付けないからこそ
感じます。

 だから
 決して戦争を選んではいけない。


押し付けない。
こうして語りますのも含み
押し付けないで語ることは難しい。


お若い方々、
もし道徳に飽き飽きしていたら
読んでごらんになるといいと思います。

記録するということ、
学びました。



画像はお借りしました。
ありがとうございます。



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