この小品は純粋な創作です。
実在の人物・団体に関係はありません。




ほう……。

枕に散る黒髪は
しどけなく
交わした情に乱れほつれる。


吐く息は
一気に冷え込んだ朝に
微かに白く浮かび
消えていく。



「寒いね」

「おいで」


並べた枕
共にする衾



白菊は
たおやかに身を寄せ
逞しき胸は花を抱いて衾に隠す。



衾は情に揺れ
ひとひら
ひとひら
その花びらは咲ききっては
震える。



床の間に菊は静まり
衾に菊は咲き誇る。



ああっ……。


その声に滴る情に
菊は朝露を纏い
その露を男に与える。



「……いい子だ」


男は
しん
空気の変わる音に耳を澄ます。


「……どうしたの?」

甘い声に
そっと
髪を撫で男は応える。


「雪だ。」

「ほんと?」


褥を離れ
男は
障子を開く。


しんしんと雪は秋の庭に降る。


少年は
白き褥に白き体を起こす。


白菊の花を読める

心あてに折らばや折らむ
  初霜の置きまどはせる白菊の花

           凡河内みつね



画像はお借りしました。
ありがとうございます。

☆秋の幻想
 日本バージョンです。
 
 〝二人〟でさくっと書きたい症候群に
 お付き合いくだしまして
 ありがとうございます。

 ちょっと激闘の狼を前に
 〝描写したい〟症候群に続き
 〝二人〟成分不足気味につき
 幻想連投しました。

 お読みいただき
 ありがとうございます。

 …………本編、
 ちょっと、
 書き出しにくく……すみません。


画像はお借りしました。
ありがとうございます。


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