黒に赤のみ

ファントムの纏う衣装とは
趣を異にする。



夜会に君臨する華やかさとは
対照的に
押し包む闇をイメージさせる黒が
全身を包む。





一点だけ肩に深紅のレースに
紅蓮の炎を覗かせて
黒に沈む
アンナ・カレーニナの世界観。




眸が開く
不安が世界を満たして
駆り立てる。


闇に抱き取られるかに
舞い上がる体は
細い軸に回転し氷上に吸い込まれ
天を仰ぐ。






華やかな夜会に
二人は
互いを
見付ける。





見付けた瞬間に
世界の中心は定まる。




抗いがたい
力に
引き寄せられ
操られ
囚われる心。

ぶれることのない回転に
その細い体は
天を差す軸に掴まれて
美しくあがく。




地軸から伸びる体は
自らを抱きしめては
また
解き放つが
内から発する炎に包まれて
その身を焦がす。


鈍い金属音は
霧に隠れた
鉱夫の槌音



刻まれる
運命の歯車は
ギシギシと回る。





肩口の深紅は
魂を飲み込む

氷上に
崩れ落ちる
しなやかな体


発火を前に
不安はあり

ありながら
自ら囚われ

囚われながら
陶酔する


滅びへと走る定め
アンナ・カレーニナ


なーんちゃって
女性を演じる
いうのとは
違うイメージで
書いてみました。




画像はお借りしました。
ありがとうございます。



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