黒猫物語 小景 お休み
NEW! 2016-09-30 07:25:31
テーマ:クロネコ物語

この小説は純粋な創作です。
実在の人物・団体に関係はありません。





あのね
海斗がすごく優しいの。


僕、
すごく汗かいてたんだ。
やっぱり怖い夢だったんだなー
って
思った。


海斗は
僕の夢に敏感なんだ。


ずっとね
いてくれた。


ずっとね
二人でいられた。


咲お母さんが
ホットミルクを持ってきてくれた。
もう遅いから
食べるのは我慢がいいんだって。


僕の頭を撫でて
にっこりした。
咲お母さんがにっこりすると、
なんだかほっとする。





ミルクを飲んでる僕を
海斗が
じっと見てるんだよ。


僕が
あれ?
って首を傾げると、
頭を撫でて、

「お飲み」

って言う。




カップをワゴンに載せて
廊下に出してた。



喘息で
倒れちゃったときみたい。



あ、あのね、

「海斗、
お風呂行きたい。

汗かいたし……。」

僕、
抱っこじゃなくてね……。



「いい子だ。

このままお休み」


海斗は言う。


僕は
上目遣いになる。


「もう保健室じゃないよ。」



海斗は
僕を抱き締める。


「お前は消耗してる。

朝までお眠り。
もう間もなく朝だ。

そうしたら、
俺も我慢しない。」



海斗からね、
また
何か流れ込んできた。


胸が
トクン
トクン
って鳴るんだよ。


一つ
トクンするたびに
僕は
暖かくなる。


そして、
眠くなる。


僕は
また眠り込む。

海斗が
僕を暖かくする。

海斗が
僕を眠らせる。



海斗

海斗

朝ね

朝は約束ね


僕は
確かめながら
丸くなる


海斗に抱かれて丸くなる



海斗は
やっぱり
優しい


優しい

優しい

…………………………。



画像はお借りしました。
ありがとうございます。