黒猫物語 阻止せよ 16 二人
NEW! 2016-09-25 15:53:37
テーマ:クロネコ物語

この小説は純粋な創作です。
実在の人物・団体に関係はありません。





んっ…………ああ………………。

お前は
甘い吐息をもらす。


いい子だ。
あとは
お預けだよ。


「あのね……」

お前は
迷うように言いさす。


「どうした?」

尋ねると

上目遣いに
俺を見る。


「あのね、
トムさんがね
悲しくて泣いててね
僕のせいでね…………。

僕、
トムさんにキスして
ありがとうって
言ったの。

………………怒った?」


ずるい子だ。
そんな可愛らしい姿で
それを告げるのか。


「怒ってない」

俺は応える。


お前は
パッ

明るくなる。


「ほんと?」

弾む声に
また
両手を俺の首にまく。


「ほんとだ。」

そう言って
西原に与えたという唇に
もう一度
俺の刻印を刻む。



いい子だ。
ずるくて可愛い俺の天使。

その背まで震わせて
お前は
堕ちた。



お前は与える。
その微笑み
その手
その頬
…………そして、唇を。



だが、
お前が欲するそれは、
俺だけだ。


お前は俺に欲情する。


許してあげるよ。




んっ………………。

目を開いたね。

ほら、
そうして欲情に霞んだ眸を
お前は見せる。


ずるいな
お前はずるいぞ。


可愛い天使、
よく
お聞き。

「怒ってないよ。

でも、
お仕置きだ。



お前は可愛すぎる。
悪い子だ。

お仕置きされて
いい子におなり。」


お前は
戸惑い
小首を傾げる。


「……可愛すぎるから?」




愛らしい唇。

西原も可哀想に。



「そうだよ。」


ほんとに

そんなに可愛くて
俺はどうしたらいいんだ?




「僕、
お仕置き好きだよ。
もっと可愛くなりたいな……。」


もう十分だ。

もう俺には限界を越えている。


「ばか。

俺を殺す気か?」



これ以上可愛く
どうやってなるんだろう?


毎日
そう呆れている。


でも、
お前はなるんだ。


日毎に
お前は可愛くなる。


いい子だから、
もう
そのくらいにしておくれ。



何回目かの
最後のキスに

俺は
お前を
沈ませる。



海斗

海斗


海斗


甘い声

甘い吐息

お預けだ


いい子だ

あとは

お預けだよ



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