黒猫物語 浮舟の選択 情景 引き合う魂
NEW! 2016-08-14 20:02:26
テーマ: クロネコ物語

この小品は純粋な創作です。
実在の人物・団体に関係はありません。





海斗がいる。

海斗が来てくれた。

戸を引くのももどかしい。

目の前の車に飛び込んだ。



見えない。

暗い。

海斗の匂い!

僕は

抱き止められ

抱き寄せられる。



もう

包まれた。



僕の石は

嬉しくて

脈打ち始める。



光る

光るよ



ほら

恋しい人の

顔が浮かぶ。



頬を包む

その手に

僕は目を閉じる。



唇が塞がれる。

ああ

流れ込む。

海斗が流れ込む。



幸せ

僕は幸せ

幸せだよ

海斗









飛び込んできた華奢な体

抱き寄せれば

吐息を洩らし

俺の腕に収まる。




お前さえあればと

焦がれ続けた

愛しいものよ



お前は

俺の胸にあって



姿を変えていく。





薄闇に

お前の恋心は燃え

光となる。



仄かに浮かんだ眸は

添えたてのひらに

静かに閉じる。



その唇を
俺に与え


お前は
光に包まれる



愛している

愛している

愛している




俺の愛が流れ込む

流れ込んで光となる。

お前は光に包まれた。



瑞月

愛しい俺の半身

お前を得た幸せに

俺は酔いしれる。




美しき光を纏う

俺の月よ


お前の輝きに

俺は酔いしれる。



画像はお借りしました。
ありがとうございます。