黒猫物語 揺れる〈小さな部屋で〉
NEW! 2016-02-19 14:34:30
テーマ:クロネコ物語

この小説は純粋な創作です。
実在の人物・団体に関係はありません。






おじいちゃんの部屋は
ぬくぬくよ。
掘り炬燵って
もう
一度知ったら離れられない。


お一人サイズの小さなお部屋。
おじいちゃんも
かなり
小さめだものね。





凄い機能もついてるけど、
まあ
あんまり使わなくて済めば
いいんじゃないかしら。



わたしは
掘り炬燵があれば充分よ。
それに
面白い!




〈やっぱり
   わかるんじゃなぁ

   それに
   やっぱり揺れていたのぉ〉



〔はい
   こちらに戻るだけでも
   大変なことです。

   一緒に死んであげる
   そんなつもりで
   生きてきたと思いますから〕



〈とりあえず
   瑞月のために生きる……か。〉



〔はい
   でも瑞月ちゃん
   そろそろ変わり始めてます。


  何より
  自分で考えたり
  動いたりしています。

  中学校くらいまでは
  すぐです。

  ただ
  もしかしたら
  …………元々コミュニケーションは
  問題を抱えていた子かもしれません。

  お母さんと
  スケートだけしていたように思います。

  それを支えるのに
  佐賀さんが今を捧げるのは
  構わないんです。

   佐賀さんの方が瑞月ちゃんに寄りかから  
   なければ
   それで構いません。

   佐賀さんが先を見詰めていられればです。〕


〈サガちゃんは
   上手くやれるかなぁ。

   激しい子じゃし
   繊細なんじゃ。

   瑞月ちゃん取り上げたら
   壊れてしまうよ

   瑞月ちゃんも
   無事にはすまない

   咲さんに
   見てもらうのもそのためじゃ。〉



〔取り上げたんですが
   忍び込みました。

   寄り掛かってますね。
   執着してます。

   その執着には
   何かを
   忘れたい気持ちがあります。

   忘れようとしなければ
   すぐに捕まるから
   瑞月ちゃんに執着するんです。〕


〈だから
   瑞月が不安になる……か。

   ただ二人でおいても
   だめなんじゃな。〉



〔これから瑞月ちゃんも揺れますよ。
   執着してる場合じゃありません。〕


〈どんな子じゃった?
   鷲羽財閥の代表として会ったんじゃろ?〉


〔久しぶりにスーツを着ました。
   いい子です。

   コーチもいい方でした。
   コーチには
   秋にあった事件から
   バランスを崩していることを
   伝えました。〕



〈満更うそでもない。

   崩したというより
   生き始めた
   が正しいがの。

   わしらが二人の後援につくのも
   本当じゃ。

   これから
   様々付き合う二人じゃ。
   咲さんが保証するなら心配ない。

   トレーナーの件は
   どうなってる?〉


〔最初から付いてもらいます。

   ただし
   佐賀さんにも
   瑞月ちゃんにも
   知らせていません。

   様子を見なければ決められないことです。〕


〈まあ
   それは
   これからの話じゃな。

    今は練習を一緒にする子が気になる。
    どんないい子か
    楽しみにしとるよ。〉


〔なかなかのハンサムさんです。
   やんちゃでもあります。

   佐賀さんのライバルになるかもしれません。〕


〈それは…………面白がって大丈夫かい?〉


〔動いてもらわなくちゃ
   何も変わりませんよ。

   約束があるそうです。
   瑞月ちゃんと。

   瑞月ちゃんは覚えてません。
   そこからですね。〕


〈記憶…………かぁ。〉


〔大事です。〕




ふーん
新しい子ね。



仔猫を狙うかもしれないのか。
そりゃ面白いのか怖いのか
迷うわね。

瑞月は
どう変わるかしら。
ただ練習終わればさよならには
なりそうにない。



夕食が
今から楽しみね。



仔猫を泣かせちゃった狼さんは
練習を乗り切れるかしら

覚えてないことを聞かれた仔猫ちゃんは
ごめんなさいで済むかしら



済まないことを期待して選ばれたやんちゃ坊主と
咲さんに逆らって仔猫を食べに行った狼さん



いい勝負を期待してるわよ
基本、
仔猫に嫌われないようにね


画像はお借りました。
ありがとうございます。