この小説は純粋な創作です。
実在の人物・団体に関係はありません。





黒猫物語 若紫の反乱 2
2016-01-12 08:14:05
テーマ:クロネコ物語




お、落ち着かない。



瑞月は可愛い。
いい子だ。
素直だしな。




でも、
俺の部屋に
一日中いるキャラとしたら
どうよ。



じいさんは
人脈にものを言わせて
俺に丸1週間の有給休暇を取らせた。
社長直達の職務命令だ。



俺は
深夜の練習に備えて
日中は瑞月を休ませ
夜は練習に付き添うことになった。



じいさんが言うには
俺の家がリンクに近いからだそうだ。
確かに近い。

いや
そうじゃないだろう。



何なんだよ
このミスマッチは?!
お姫様をお迎えした一般市民は
どうしたらいいんだ?




落ち着こう。
練習とか俺には分からん。
瑞月に聞けばいいんだよ。


そうだ。
まずスケジュールからだよ。



質素な部屋の
ボロいソファに
ちょこんと座るお花ちゃんに
俺は訊ねた。

(何時に寝て
何時に起きるんだい?)


瑞月は小首を傾げる。



仕方がない。
記憶を確かめよう。


(夜の練習はしたことがないの?)


「あるよ。」




よし!


(どうしていたの?)


「佐賀さんが起こしてくれた。」


どうすんだよ?!


(夜の1時からだよね。)


「うん」


(11時に起きるのはどう?)


「うん」


(じゃあ何時に寝る?)


「…………。」


(何時間寝たい?)


「…………七時間くらい?」


(じゃあ何時に寝る?)


「…………4時。」


(じゃあそうしよう。)




お姫様はお姫様だ。
仕方がないか。



まずは食事だな。

(何もないからマックでも行く?)



「佐賀さんがファーストフードは
   食べちゃだめって。」


(食べていい!

   そんな上品なこと
   言ってる場合じゃない。)



店員との珍問答は以下の通りだ。



店員 いらっしゃいませー

瑞月 おはようございます

店員 何になさいますかー

瑞月 わかりません




もちろん俺が後は引き受けたよ。
フライドポテトをパクンと食べて言った。

「おいしいね。

   ずいぶん前に食べたことあるけど……
  おいしいよね。」


(いつ食べたの?)


「小学校のころ」


お花ちゃん
君は
どこの星から来たんだい?



自立だ自立!!
そんなんじゃ
この星で
生きていけないぞ!!!


画像はお借りしました。
ありがとうございます。



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