この小説は純粋な創作です。
実在の人物・団体に関係はありません。





俺がいる という刷り込み
2015-12-23 07:24:30
テーマ:クロネコ物語





仔猫は
枕が置かれると

狼の胸に
身を寄せて
怯えたように
懇願した。


「これ

  しなきゃだめ?」




狼は
構わず
仔猫に
姿勢をとらせながら
囁く。

『痛みは
   耐えやすくなる。』



仔猫の
眉は寄せられ
目は固く閉じている。


狼は
仔猫の反応を
確認し、
悲鳴の高さを計る。



仔猫は
啜り泣く。

悲鳴をあげて
反り返り
子猫は
悶絶する。



ただぴくぴくと
痙攣する
幼い恋人に

狼は
そっと囁く。



『俺だ。

   中にいるのは

   俺だ。

   傷つけたりしない。

   力を抜くんだ。』


仔猫の意識が
半濁したのを見極めると

狼は
くっ、

指を回した。



ああああああああっ



仔猫が上げた声は

初めてのものだった。



快感に責め立てられ
より深い快感を求めて
自分を埋めるものを乞う。
ただ快感に支配される幼い魂。


『目を開けろ。

   俺を見ろ。』

狼は
仔猫に教え込む。



俺がいる。

俺がお前に快感を与える。

俺がいる。

お前の中にいる。

お前は俺のものだ。



仔猫の目を開かせ、
その目に
その心に
自分を刷り込んでいる。


そのまま
深い口づけに
仔猫の意識を奪う。


仕留めたことを
確かめると


狼は
仔猫に打ち込んだ
その爪を抜いた。




仔猫は
目を閉じて
まだ
微かな痙攣を
体に残している。


変えたわね。
体を変えた。
感覚を変えた。


うーん。
まだ体は慣れてないだろう。
心が先になってない?

この素直な子に
あなたを求める感覚を植え付けたのか。


ちょっと
大変なんじゃないの?

無茶しないでよ。



画像はお借りしました。
ありがとうございます。



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