この小説は純粋な創作です。
実在の人物・団体に関係はありません。










この子をどうしよう〈第二章エピローグ〉
2015-12-06 22:00:23
テーマ:クロネコ物語




二人だけになった部屋で
狼と仔猫は
ただ寄り添っていた。



狼と仔猫は抱き合ったまま
互いの体温を感じている。



『俺に抱かれたいか?』

ポツンとサガさんが訊ねた。



『ミチコが泣いていた。

   俺に抱かれておけばよかった。 

   そう言って

   泣いていた。』



仔猫は
そっと背伸びして
サガさんの唇に唇を重ねた。

「僕、
   待てるよ。

   サガさんが
   抱いてもだいじょうぶ
   って思うまで

   ちゃんと待てる。」



サガさんは
じっと仔猫を見詰め
抱き上げた。



『お前を確かめたい。』

寝室は
柔らかな陽光に包まれている。



服は要らない。
肌を感じたい。

恋人たちはベッドに絡み合う。



仔猫は下肢を広げ
狼を誘う。

狼は仔猫の下肢に顔を埋め
仔猫は甘く声を上げ始める。



焦らされて
喘ぐ仔猫に

『欲しがってみせろ。
   その顔が愛しい。』

狼は囁く。



仔猫が
欲しがるままに与え
焦らしては啼かせ
その切なげな表情を愛でる。



眉をひそめ 
頭を振り 
背を突っ張らせ
快感の淵にたゆたう仔猫の唇を塞ぎながら
狼は考えていた。



この子を抱くまでには
すっかり手強い誘惑者に
育ててしまいそうだ。


画像はお借りしました。
ありがとうございます。


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