今日で、あの日から五年。


思い返せば、震災からちょうど一年後の2012年の3月11日も、僕は舞台に立っていました。


東日本大震災を描いた舞台『HIKOBAE』の上演のため、ニューヨークにいたのです。


公演の終了後、当時国連の副事務総長だったミギロ氏のスピーチでこんな言葉をいただきましました。


「昨年の3月11日、日本で大きな悲劇が起こりました。その瞬間に、各国は日本に手を差しのべました。なぜなら、日本がこれまでどれだけ他の国への援助につくしてきたのかを、世界は決して忘れていなかったからです。そして今夜、ここにいる彼らたちは、芸術が自然災害に対して何ができるのかをここに示してくれました」


五年目の今日、僕は『HIKOBAE』再演以来の舞台に立っています。


ライ王のテラスで最後に肉体が語りかけるのは「今を生きる美しさ」


国はカンボジア。震災ではありませんが、政権による大きな悲劇を体験し、現在芸術的にも目覚ましい復興を遂げている国です。


芸術が人の心に与える影響を信じて、今日も日本人カンボジア人キャスト一丸となり、舞台に立ってきます。


今年は、なんだか自分本位の記事になってしまいました。お許しください。


それでは、本日も赤坂で会いましょう。



2016年3月11日
鈴木亮平