ごきげんよう、村岡英治です。


『花子とアン』皆さんのお陰で、本日無事に最終回を迎えられました。


僕らが愛情を込めて作り上げたこの愛しい作品を、皆さんが同じように愛してくれたこと、とても嬉しいです。


僕は、村岡英治という男に出会えて心から幸せでした。


激動の時代の中で時には大きな悲劇に襲われながらも、気丈に振る舞い、妻の才能を後押しし続けた彼の生き様は、とても男らしく優しさに溢れたものだと感じました。僕は英治に、全てを包み込む本当の強さというものを教わった気がします。


今改めて思うのは、英治は夫であり恋人である前に、ずっと花子さんの一番のファンだったんだなということ。本棚の前で出会い、彼女の才能に気付き「あなたは花子になるべきです」と言ったあの日から、英治には壇上でスピーチしている今日の花子さんの姿が見えていたのかもしれません。


また、僕にとって村岡花子さんという素晴らしい翻訳家の生き様に触れられたこともとても大きな出来事でした。強い意志を持ち、勉強家で、日本人として女性としての誇りを貫き、家族を愛し、ロマンチックな少女の心を持ち続けた花子さん。こんなに魅力的な方と、一度でいいから直接会ってお話してみたかったなというのが率直な気持ちです。



一人の人間の半生を演じるということ


人が人を愛し、生きるということが、どれだけ素晴らしいことかを知りました。


演じるということが、どれだけ重く、どれだけ神聖なものなのか教わりました。


そんな一生忘れられない経験をくれた『花子とアン』に、心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。


村岡花子さん、村岡儆三さん


原案の伝記を書いてくださった村岡恵理さん


吉高さんはじめ全てのスタッフ・キャスト


そして何より、花子とアンを愛し毎日テレビで観てくださった皆さん


本当に、本当にありがとうございました。


これから始まるあなたのものがたり


皆さんの心に、何かがふわりと残ったなら幸いです。


2014年9月27日 
村岡英治役 鈴木亮平