17才の主人公の苦悩を描いた自作小説、
「RX」今週から第3章に入っていきます。

⚠️3章から、死に関する少し過激な表現が含まれているのでご注意ください🙇‍♂️


あらすじ
悪役レスラーRXの壮絶過去 17才の成長物語
少年時代 学校生活 精神病院 そして闇は光へ
1章 病弱な少年は、レスラーの強さに憧れる
2章 事件が起きて居場所を失い、独りで苦悩
3章 ストレスで絶望感に襲われ、精神病院へ


前回はこちら↓





 

閉めきったカーテンがオレンジ色に染まる。

目が刺激され、

 今が朝か夕方かも わからない。


部屋に引きこもる、不登校の僕。

 高校には二度と行けなくなった。


乱れた自意識、消えた自尊心。

とてつもない自己否定のストレスが、

 パニックと自傷行為を引き起こした。


自我が壊れ、憂うつに支配され、

 体はナマリみたいに重たく動かない。


ぐるぐる駆け回る、悲観的な思考。

悪循環に落ち入り、

高熱でうなされるような頭痛に もだえる。


勉強机を見ただけで、胃が締めつけられ、

猛烈に吐き気がした。

 今でも僕への悪口が耳に残り、

拒絶された顔が頭から離れない。


空耳か、被害妄想か。

みんなが僕を嫌がっている声がする。

 消えろ、いなくなれ、どっか行け。




長すぎる一日、全く眠れない夜。

でも朝は来るな、このまま永遠に明けるな。


しかし母がドアを叩いて知らせた。

「早く用意しなさい」

 容赦なく登校を催促してくる。


学校に行かないといけないのは、

わかっている。でも怖くて行けないんだ。


甘え、さぼり、なまけ者、我慢が足りない。

そんな言葉で片づけるな。

 口では説明できないが、

大人が思うより複雑かつ切実で悩ましい。


強引に部屋へ入ってきた母を、

 寝起きの僕は力なく押し返す。

また布団に埋もれ、深くまで沈みこんだ。


わがままな本音。

周りと一緒にしてほしくないが、

 仲間ハズレにもしてほしくない。


僕に背を向けないで、無視しないで、

 悲痛なメッセージに耳を傾けてくれ。


長らく休んでおり、のしかかる罪悪感の重圧。

この部屋から早く出ないと。

 時限爆弾に、導火線の炎が迫り来る。




誰か、助けて。

暗がりを抜け、ふらつく足でリビングへ。


テーブルにうなだれる母。

 白髪が増え、やせこけた後ろ姿。

肩を震わせ、鼻をすする音がした。


手もとに並ぶ"退学通告書"。

暴力事件、学業不振、欠席や態度など数多くの


問題を抱えた僕が単位を取れるはずがなく、

とうとうドロップアウト(中退)が決まった。


「どうすればよかったの」

かすれた声で聞かれたが、僕もわからない。


黙りこむと母は激高し、

 ありったけの怒りで僕を責めだした。

不登校なんて恥ずかしい、世間体が悪い。


うるせえ、だまれ、

もう限界だ・・・

 あふれた感情のグラスが爆裂した。


ついに僕は発狂して暴れ回る。

 物を投げつけ、家具を破壊。

声にならない叫びで、

 何もかも、めちゃくちゃに荒らした。


夕飯がそこら中に散らばり、

辺りは地獄絵図。

 残骸だらけの床が悲惨さを物語る。


家庭崩壊。泣き崩れる母をよそに、

 たまらず僕は、家から逃げ出した。


(つづく)



♪イメージソング

リンキン・パーク「フェイント」

大好きなジャンル"ニューメタル"の代表格!

この曲に痺れて、リンキンにハマりました🤘

当話②でサビの歌詞を引用させて頂いてます




"なんで学校に行けないの?何が原因なの?"

よく親や先生に聞かれる言葉ですが、

このとき大抵、何を答えても、

"みんなそうだよ。みんな我慢してるよ"


とバッサリ言い切られてしまいます。

でも、感じ方、捉え方は人によって千差万別。

側から見れば大したことなさそうな事でも、

本人にとっては深すぎる問題なのです・・・




次回は 3章 2話 消失

7/23(日)に投稿予定です⚠️



https://twitter.com/suzuki_ramone

↑自作のイラストを投稿したりしてます🐦



今週も、ご通読ありがとうございました😊