今から26年前の今日…

1989年11月29日
時は平成元年
当時社会現象とまで言われたプロレス団体




【U.W.F】




にオレは所属していた。。。


1988年に新日本プロレスでデビューし、
翌年3月に退団。
新興勢力だったU.W.Fへ移籍した。
決して円満退社ではなかったが、
若い自分は夢を追うことを何よりも優先した。

マエダアキラ
タカダノブヒコ
ヤマザキカズオ
フジワラヨシアキ
フナキマサカツ
アンジョウヨウジ
ナカノタツオ
ミヤトシゲオ

この中に飛び込めばもっと強くなれると思った。

その思いは移籍した後…
徐々に加速し増大していき…
その純粋な気持ちは「自惚れ」に変わった。


どんどん鼻は伸び、
もうこの頃になると誰の言うことも聞かなくなっていた。

「オレは強いんだ」




そんな中で迎えた26年前の1989年11月29日。
場所は東京ドーム。
相手はキックボクシング世界チャンピオン

【モーリス・スミス】

のちに知ることになるのだが、
彼はこう呼ばれていた。

「20世紀最強のキックボクサー」と。。。







ただの自惚れ。
ジツは何も知らないガキ。
世の中に出るチャンスくらいにしか思っていなかった。
TBSで全国中継。
有名になるチャンス。
そんな風にしか思ってなかった。

全く怖くもないし、強いとも思っていなかった。

「オレは強いんだ」

ただそれだけだった。



今思えば馬鹿げている。
ちょっと仲間内で強いからといって
当時の世界チャンピオンに対して無策だった。
「挑もう」なんて謙虚な気持ちなんかありゃしない。
「寝かしたらどうにかなるだろ」
ただそれだけ。

これはもう「自惚れ」なんていう言葉では当てはまらない。

「カン違い野郎」

だった。



決して強く仕留められたわけじゃない。
熱戦で仕留められたわけじゃない。
たまたまやられたのでも、
失敗でもなんでもない。



ゴングが鳴った瞬間に…





「怖くなった」のだ。




要するにビビってしまったのだ。
超満員6万人の大観衆の前でビビってしまったのだ。

あの目。。。

最後は軽く出したリードパンチに沈んだ。
本当のことを言えば
自分から倒れてしまった。

怖くて怖くて仕方なかった。

「早くここから逃げ出したい」
それしか考えてなかったと思う。



あまりの怖さ、
あまりの無力さ、
あまりの情けなさに…


大号泣した。。。


ただの駄々っ子が泣いてごまかしているのと同じ姿だった。



その試合を報道したテレビや雑誌では
「無念」
「悔し泣き」

なんて言葉で自分の思いとは逆行して賞賛された。






情けなかった。

悔しかった。

そして怖かった。

生まれて初めて向き合っただけで「怖い」と感じてしまった。






もうプロレスが続けられないと思うほど

身も心もズタズタに引き裂かれた。。。

















それから数年後、パンクラスを旗揚げ。
二度にわたる「モーリス・スミス」との闘い。
「もう決して逃げない」
と心に誓い挑んだ
「キックボクシング世界チャンピオンとのキックボクシングルール」での闘い。
そして日本武道館に超満員の観客を集めた
1994年のミックスルール。。。












追い詰められ、
もうどうしようもない時に出るもんだ。。。
本当の心ってやつは。。。





あの時ズタズタに引き裂かれた心は
逃げずに闘う強い心に変わった。

もう誰からも逃げない。
もう何からも逃げない。
もう自分から逃げない。



1989年11月29日は
オレにとって
オレの人生にとって
一番大事なモノとぶつかり敗れた日。



だから今日



11月29日はオレにとって




記念日である。。。


































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