「いいか…アイツの試合をよ~く見ておけ。」
「アイツもオマエと同じ二年生だ。」
「階級が近いからそのうちあたるかもな。」



初めてアイツを見た時に神奈川の監督がオレに言った…。



次の年の代々木オリンピックセンターでのこと。
ジュニアの世界選手権の選考会を兼ねた選抜選手の全日本合宿があった。
合宿初日。
食堂で九州地区から来たヤツと話していた。

「スズキ、何キロ級に出るんだ?」
「ん?オレ?81kgだよ…減量させられてさ…」

するとこっちに背を向けて座っていた坊主頭のヤツが立ち上がり、
振り返り様にこう言った…


えええ?
オマエ、なんでいるの~???






これがオレと高橋義生の出会い…(笑)

アイツはオレの事勝手に年上だと思っていたみたい。
その合宿で急激に仲良くなり、
一緒に練習し、
一緒に練習をサボり、
一緒に遊ぶ様になった…

その後、同じプロレス団体に入り、
一緒に新団体を旗揚げ、
バチバチのしばき合いをし、
笑って、泣きながら一緒に酒を飲んだ。



初めて会ったのが…
あれがお互いに17才の時だから…
いまから28年くらい前の事になる。


この業界で一番長い付き合いになるな。
あ、実際にはもう一人長い付き合いになるヤツがいるが割愛させてもらう(笑)。

その高橋が先日行われた「パンクラス20周年記念大会」で引退した。

その試合が決まった時に高橋に「セコンドやってよ」と言われたのだが、
もうすでに試合のスケジュールが入っていて行けなかった。
オレもアイツの最後の姿を見届けたかったけど、
自分の試合を優先した。

それが正しかったのか、間違っていたのか…まだワカラナイ。

なにを置いても駆けつけたかった…のは事実。
試合の予定が入っていたから行けなかった…のも事実。

ん?…これじゃ、「何を置いても」じゃねえな…

アノ時のオレの感情は…
「オレは現役のプロレスラー。だから何よりも優先するのは…試合である。」
こんな感じだった。

でも高橋なら理解してくれるかな?って思っていた。

だってガキの頃、同じレスリングで同じ階級で同じ大会で闘い…
同じ夢を持ち、同じ将来の希望を持ち…
同じプロレスラーを目指したモン同士…
だからな。

アイツの引退試合は、まだネットの写真でしか観ていない。

観たいけど、観たくナイ…

そんな感じ。




昔オレも「引退」というモノの入り口まで行ったコトあるが、
その向こうに行くコトは無かった。

どんな気分なんだろ?

それは向こう側に行った人間にしかワカラナイだろうな。
オレはしばらく…いや当分は行かないよ。

オレにはプロレスラーとして
やらなければならないコト
がまだあるからな。



今度は格闘技とかプロレス抜きで呑みに行こうな…
でもソレ抜きはやっぱりムリかな…
とりあえず行こうぜ…

じゃあまたな…

 






















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