第三話






やっと転がり落ちるコトが終わった“石ころ”。

少しづつ体も良くなり、心の力も戻ってきた。
心の中には「いつかきっと…この歌とともに…」
その事をいつも思い続けていた。
どんな時も。




しかし…
“石ころ”は、坂道を転がりすぎた。

少しだけ前には進む。

しかし、上には登らない。

そんな感じだった。




「“風になれ”を使い、入場する」
そのことを「つらい」と思い始めた。
「上にあがりたい」気持ちと「上がれない」現実。



そんな気持ちをある人に伝えた。
“風になれ”を作るとき、必死になって動いてくれた“Oマネージャー”。
オレは彼に、こう伝えた。








「頑張ってきたけど…風になれ…つらいです…あゆみさんに…違う歌をお願い出来ませんか?」
「わかった…いいけど…ほんとにそれでいいの?」
「…お願いします。」







オレは何か、きっかけが欲しかったんだと思う。

その頃、あゆみさんは芸能活動を休止していた。
歌をやるつもりは無かったらしい。







マネージャーO氏は開店休業中のあゆみさんのいる福岡に飛んでくれた。
彼は、「むり!ムリ!無理!」というあゆみさんを口説き落とし、
タカハシケンさんというプロデューサーまで口説いてきた。
タカハシケンさんとは“翼の折れたエンジェル”の製作者。

話をして曲作りに入った。






しばらくして、「レコーディングをするからおいで!」
と、声がかかった。




初めて聞くその歌は…
一本のマイクの前に中村あゆみ、もう一本のマイクの前にアコースティックギターがひとつ。



スローなバラードだった。





「Yesterday,Today & Tomorrow」






正直とても闘う前のテーマソングとは言えない感じだったが、
聞き終わった後満足感が充満していた。





それと同時に…なぜか、寂しい気持ちになった。








オレはこの曲と共に、新たに歩き始めた。
新しい道を。

でもそれは…
その道は…








終着駅に向かっていた。















「どこに向かっているのか?」




自分ではわかっていた。
もしかしたら、その時は望んでいたのかもしれない。












前に進みたくても進めない…

上を向いても霧がかかって何もみえない…

後ろからどんどん追い抜かされ…

しまいには置いてきぼり…

まわりには…






もう誰もいない…















「…潮時…かな?」














そんな事を考えるようになった時、一人の男を思い出していた。









「アイツ…元気かな?…アイツならきっと…」




オレが、終着駅を決めようとした時、思い出した男。
最後にやり残したこと。
もう思い残すことの無いように
もう一度、戦ってみたいオトコ。



オレはそんな事を考え始めていた…。









「Yesterday,Today&Tomorrow」

Ah~この道は いつか空へ続くでしょう
切なくて 振り返る モノクロームの記憶よりも
明日はあざやかで 朝日がまた笑うから
あゆみゆく 力をください
勝ち負けのない世界なら
花は何のために咲くのでしょう
風にさえ揺れてしまうから
折れない心を探している
昨日 今日 明日
Yesterday,Today&Tomorrow




この歌は現在も発売されておらず、中村あゆみ幻の曲になっている。
発売されない、いや、発売はしない理由がある。
それは後でわかるのだが…





つづく




























6/17 オレの誕生日より、PILEDRIVER X SMITHJAPANのコラボアイテム「SHORELINE」サングラスが発売される、

鈴木みのるのオフィシャルグッズショップ
「パイルドライバー」
www.piledriver.jp

あれ?梅雨入りしたはずなのに雨ぜんぜん振らねえな…これじゃあ、すぐに夏になっちゃうじゃんかよ~~~~…あ、別にそれでもイイか? アハハハハ~!