本日は福島市に来ています。
まずはじめに、あらためまして福島県立大野病院事件で不幸にしてお亡くなりになられた妊婦様のご冥福をお祈りいたしますとともに、ご遺族に対し、心よりお悔やみを申し上げます。
本日、福島県立大野病院事件被告加藤医師(産科医)への無罪判決が言い渡されました。

加藤医師逮捕以来、私鈴木寛も、その無実を求める「周産期医療の崩壊を食い止める会」の皆様とさまざまな活動をご一緒してまいりました。私自身・仙谷衆議院議員と当時の法務省官房長と面談させていただきましたし、署名活動のお手伝いや、会の代表である佐藤章福島県立医大産科主任教授ほか関係者の皆様を、川崎厚労大臣(当時)ほか多数の国会・政府関係者にお引き合わせするなど、陳情活動のお手伝いをさせていただきました。
さらに、国会質疑においても、本事件について、多くの同僚議員にとりあげてもらうよう働きかけ、医療事故に関する刑事罰のあり方についての議論も深まりました。

さらに私が幹事長を務める医療再建超党派議員連盟をはじめ、医療界はじめ各界各層を巻き込み、医療と刑事介入についての議論を醸成するために様々な活動を行い、私もさまざまな場面にお招きをいただきました。

こうした各界を巻き込んだかってない真摯な議論の高まりと深化を、裁判所が適切に斟酌され、妥当な判断が下されたと思います。

加藤医師逮捕以来、現場医師の間には刑事訴追リスク懸念が急激に高まり、ハイリスク医療現場からの医師立ち去りが続出し、周産期・救急はじめハイリスク医療の崩壊に拍車がかかっていましたが、この無罪判決により、今後、警察・検察は医療行為の業務上過失致死罪に関する逮捕・訴追に慎重にならざるをえなくなり、医師の訴追懸念はある程度鎮静化し、医療崩壊の進展に一定程度の歯止めがかかるものと思われます。
いずれにしても、医療事故防止、事故の真相究明と万全の被害者救済、萎縮医療防止をいかに鼎立させていくかは極めて複雑で微妙で難しい問題です。精緻で冷静で公平公正な議論の丁寧な積み重ね、関係者間の相互理解と信頼の醸成、医療界の自浄能力の発揮を通じ、全国民を巻き込んだ広範な議論が望まれます。私も引き続き日本医療の安全・安心・納得向上のため尽力してまいります。