今日は、13年来の付き合いである三鷹市長の清原慶子さんと午前中お会いする機会がありました。三鷹市は私が慶應大学助教授時代から推進してきたコミュニティスクールの先進都市で、京都市、出雲市と並び、市内全校がコミュニティスクールとして指定され、着実に成果を上げている所です。三鷹市では中学校区をひとつの塊として、コミュニティスクールを基盤とした小・中一貫教育校の推進を図っていますが、これを支える地元の教育NPOの活躍などの成功例として、すでに教育政策の世界では有名です。
そして今日さらに、新しい話として市長から伺ったのが大変興味深い事でした。なんと、三鷹市で5年前から深刻だった犯罪件数が、昨年の統計で、その前の年より2割程度下がり、さらに過去20年でも最低との事でした。
これはまさにコミュニティスクールを実施するなかで、地域の方々が、子ども達のために、学校地域の見回りや、生徒への声かけなどをやっていく事で、三鷹市全体の治安までもが良くなってきたのだと思います。
私は、それぞれの当事者コミュニティがそれぞれの問題を解決していく事で全体の問題が解決していく、といったコミュニティソリューションという理論を打ち出していますが、これは教育だけではなく、医療、福祉、介護、保育、環境への応用も可能だと考えてきました。今日はそのコミュニティソリューションを活用していく事によって、地域の治安にまで相乗効果をもたらすという一例を見る事が出来、大変な驚きと感慨の念を抱きました。

午後は、漢方医療のシンポジウムに参加しました。着実に、漢方教育や統合医療が大学医学部で進んでいます。今日は、その中身をどのようなものにしていくか、そして、卒後臨床研修でどのように統合医療を取り組んでいくかが議論の中心となりました。教育の普及・定着から、質の向上へとステージが進展していく兆しを感じました。