厚生労働省は、DPCにおける高額な薬剤等について、包括評価の対象となることによって、病院の持ち出しが大きくなる高額な7薬剤について、08年度の改定まで、包括評価の対象からはずし、出来高算定とすることを了承しました。具体的には8月以降実施されます。

この問題は、5月14日に私が、行政監視委員会で質問した案件です。事前の厚生労働省との接触では、検討を進めるとの回答であったので、国会の委員会の場では、あまり追求はせずに、あえて要望にとどめておきました。質問を前提にすると、いろんな交渉が役所とできます。

以下が、5月14日の国会での私の発言の抜粋です。

「DPCが進んでおります。これにはもちろんいい点、悪い点、両方あるわけでありますけれども、お願いは、昨年私も民主党の医療改革PTの副座長といたしまして、がん対策基本法、これは正に与野党でできたすばらしいことだったと思いますけれども、その中で、がん対策基本法ができまして、抗がん剤治療について大きな後押し、大きな一歩が進んだと思います。これは厚生省に感謝をいたします。

例えば、抗がん剤の審査なども早くなっております。このこと自体は大変結構なことだと思いますし、基本法を作った一つの成果だというふうに思いますけれども、結局、いい薬ができて、審査も早く通していただいても、まあ新しい薬は高いですから、そうすると、DPCだとなかなかこれ、それは現場の判断なんですけれども、お医者さんは使いたいと、しかし病院の経営者は従来のと、こういう中で、せっかくいいことを行政もやってくれたし、それから医療者も一生懸命勉強して、そして製薬会社もそういうふうな開発をしてくれてということが、患者さんにあと一歩のところで届かないということになっているんですね。これは大変残念だと私は思います。

是非御検討をお願いしたいのは、今手術はDPCの外ですよね、その算定の枠の外ですよね。ある意味、患者さんからしますと、結局、これはがんだけじゃありませんけど、手術を選ぶのか、こうした抗がん剤治療をやるのか、あるいは放射線治療をやるのかと、その状態に応じてどれかを、それは医学的にベストなものを選ぶわけですから、この抗がん剤治療にしても、薬ではありますけど、やっぱりそれの投与というのは非常にある意味で医者の高度な技術、ケアの下にやらなければいけないということも事実でございますので、是非この点は、抗がん剤治療をDPCの枠組みの外に、手術と同じような扱いにしていくということについて是非御検討をいただきたいということ、これはもうお願いでございますので、よろしく御検討をお願いをしたいと思います。」以上を厚生労働大臣に要望しました。


そうした、国会での議論を踏まえて、今回下記の薬品がDPCからはずされました。これによって、これらの薬剤が、実際に患者さんに使われるようになるでしょう。

ちなみに今回DPCの対象から外れたのは、
急性骨髄性白血病治療薬「マイロターグ」
悪性神経膠腫治療薬「テモダール」
多発性骨髄腫治療薬「ベルケイド」
悪性胸膜中皮腫治療薬「アリムタ」
エイズ関連カポジ肉腫治療薬「ドキシル」
ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎治療薬「レミケード」
結腸・直腸癌治療薬「アバスチン」
以上7成分9品目です。