時期・場所 :

   1996年9月@中野ゼロ
団体・パート:

   オーケストラ エレティール 1アシ
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植物をテーマに1曲作る。
なかなか大変なミッションではなかろうか?

だって「松」ですぜ


松は美しく佇んでるかもしれんが、ダイナミックな変化をするわけではないので、これで1曲作れというのは結構な難題だと思われる。

と思ってたがレスピーギさん、松そのものを描いたわけではなく、松をとおして古代ローマの記憶と幻影を呼び起こそうという意図で作曲したらしい。

なるほど。

作曲の経緯は置いといて演奏だ。
この曲には1アシで参加。1stが疲れたところの交代とか、ホルンで主張したいところの音量増加とか、まあオーソドックスな1アシのお仕事だ。20分ちょいくらいの曲なんだが結構労働量は多い。

1.ボルゲーゼ荘の松
公園で子どもたちが遊び回る様子が描かれている。それにしてもイタリアのガキんちょども、はしゃぎ過ぎじゃね?お前らがチョコマカしているせいでホルンの譜面は大変なことになってるぞ(トランペットはもっと大変か)。

アシの出番があったかどうか記憶が定かではないが、ちゃんと吹けてた自信はない。

2.カタコンベ付近の松
前半は舞台裏のトランペットを聴きながらのんびり休憩。

 

後半は
♪デレレレ レレレロ レレロレー ロロレー♪

とひたすら繰り返す。
1stが疲れたところでアシの出番。

3.ジャニコロの松
月夜に浮かび上がる松の情景。
美しい音楽。アシは出番なし。

4.アッピア街道の松
凱旋パレード的なフィナーレ。中盤からバンダ(金管楽器の別動隊)も加わって、ステージ上の金管本体と、掛け合いを行いながら徐々に盛り上がって行く勇壮な音楽だ。

後半盛り上がってからは、アシもずっと吹いていたが、舞台の直管系金管とバンダの大音量の前にして、多勢に無勢だった気がしないでもない。

最後にバンダについて考察。

観客は、ステージ上のオケとステージ外のバンダ、異なる場所から発せられた音の塊を同時に味わうことになり、得も言われぬ立体的な音楽を味わえる・・・かどうかは「座った場所による」のではなかろうか?

バンダの場所にほど近い席だと、バンダの音ばかり聴こえて、ステージ上のオケがちょっと遅れて聴こえるし、ステージにほど近い席だとその逆の現象になる。

なので、自分の席からステージとバンダ、この2つの距離がだいたい同じという条件において、レスピーギの意図した音響効果が得られると思うのだが、検証したわけではないので根拠はない。

次にこの曲を演奏する機会があればステリハで客席ウロウロして、聴き比べて実験してみようかと思う。