契約書を公正証書にするメリット
借用書(金銭消費貸借契約書)を公正証書にするお手伝いをさせていただいています。いわゆる、「公正証書を巻く」というヤツですね。
もちろん、契約書はお互いが合意して作成していれば有効ですし、心配であれば私たちのような法律専門家にご相談いただければ、法律的に間違いのない契約書を作成することもできます。
では、わざわざ公証人にお金を払って公正証書にしてもらうメリットはどこにあるのでしょうか。
公正証書は裁判になった際に証拠としての価値が高いということや、公証人役場で原本を保管してくれるので紛失の危険がないなどのメリットもあります。
でも、なんといっても一番のメリットは、「強制執行が容易である」ということです。
公正証書に、「債務を履行しなかったら強制執行されてもかまいません」という趣旨の文言を入れておけば、裁判しなくても強制執行ができるのです。
お金を貸したけど相手が支払ってくれないとか、離婚した元夫が子供の養育費を払ってくれないというようなとき、借用書や離婚協議書を公正証書にしておけば、スムーズに相手の財産を差し押さえることができます。
また、そもそも、相手方としても強制執行されるのは嫌ですから、なんとかして債務を履行しようと努力するはずです。
ちなみに、公正証書を作成する際に公証人に支払う費用は、それほど高いものではなく、たとえば100万円の借用書であれば手数料は5千円です。
ただ、公正証書を作成するためには、契約の内容をまとめて原案を作成したり、公証人と事前の打ち合わせをしたり、細かい必要書類を集めたりと、けっこう面倒で時間がかかります。
そこで、これらの手続をお手伝いするのが、われわれ行政書士の役割なのです。
また、公正証書を作成するには公証人役場に出向く必要がありますが、委任状があれば行政書士が代理人として出頭することもできますので、お忙しい方や相手方に会いたくないという方にとっては、これも行政書士に依頼するメリットですね。