TOEIC800点 | 行列のできる行政書士 鈴川法務事務所 in 広島市

TOEIC800点

三井住友銀行が、総合職の全行員に、英語力テスト「TOEIC」で800点以上取得するように求めるそうです。融資先の企業が海外に進出するケースが増えたことなどが背景にあるようです。






しかし、海外営業部門に配属されるならまだしも、一般の行員全てに求めるのは、なかなか大変なことだと思います。






楽天やユニクロ(ファーストリテイリング)のように、社内公用語を英語にするという会社もありますので、それに比べれば、TOEICで点を取るだけならまだハードルは低いのかもしれませんが。






ところでTOEICの点数は、ビジネス英語の実力を測る基準として広く認知されていますが、私は以前から若干の疑問を抱いていました。






第一の疑問点は、「TOEICの点数は本当に本人の実力を反映したものなのか」という点。






私自身、法科大学院の受験をする際、各大学院がTOEICの点数を加点要素とするとしていましたので、頑張って受験して840点を取りました。


TOEIC800点といえば、「通常会話は完全に理解でき、応答も速い」とされるレベルです。






そう言うと、「鈴川さん、英語ペラペラなんですね!」と驚かれるわけですが・・・






実際には、お恥ずかしいことに全くそんなことはありません






とすると、私の点数は、試験対策対策と要領によって得られた「まやかし」の数値なのかもしれません。






TOEICは、試験対策をすることによって、自分の実力よりも相当高いスコアを得ることが可能なのです。






第二の疑問点は、「TOEICの英語は本当にネイティブの会話レベルなのか」という点。






これは、実際に受験されたことのある方ならお分かりだと思いますが、TOEICの英語は、「非常に聞き取りやすい」のです。


ネイティブの方が、「はっきりと」、しかも「適度なスピードで」しゃべってくれるため、気持ちよく理解できます。






しかし、実際に外国の方が話す英語は、もっともっとボソボソして不明瞭ですし、スピードも速くて聞き取れません。


海外の映画やドラマの会話などはほとんど理解できませんし、電話なんて特に声がこもって無理です。


それどころか、アナウンサーが話すニュースですら、速くてついていけません。






つまり、TOEICの試験官のように聞き取りやすい英語を話してくれる外国人は、なかなかいないということなのです。






こちらから、「聞き取りづらいから、もっとゆっくりはっきりしゃべって欲しい」と頼めば、多少は考慮してくれるでしょうが、少なくともビジネスの現場ではそれでは通用しないでしょう。






このように、TOEICというのは、限界がある試験なのです。






もちろん、このような限界を知った上で、あくまで参考数値としてとらえるのであれば、便利な基準ではあると思います。