遺言書の偽造
身寄りのない高齢の女性が亡くなった後に、遺言書を偽造し財産を取得した、として逮捕されたという事件がありました。
資産家の高齢者の死亡をどこかで調べて、自分に財産を渡すという内容の遺言書を偽造したようです。
遺言書の偽造が疑われるケースは珍しくはありませんが、実際に偽造と認定され遺言が無効になったり、ましてや今回のように文書偽造罪で逮捕されるケースというのは、それほど多くはありません。
遺言書が偽造されたことを立証するのが難しいという事情もあるのでしょうね。
今回のケースでは、容疑者が女性の筆跡を真似て遺言書を書き、本物であるという鑑定書までつけて裁判所に提出しています。
そして裁判所も、これを本物の遺言書と認めてしまったのです。
その後なぜ偽造が発覚したのかは不明ですが、もしかすると関係者からの密告などがあったのかもしれません。
ところで、身寄りのない方が亡くなった場合、財産はどうなるのか、ご存知ですか?
まずは、家庭裁判所が相続財産管理人を選び、官報に公告するなどして相続人や債権者を探します。
一定期間が経過しても名乗り出る者が現れなかった場合、故人と特別な縁故があった人(内縁の妻など)に分配されます。
それもない場合、最終的には遺産は国庫に帰属することになります。
「国に取られるくらいなら、なんとかして自分のものにできないか」、と思いますか?
ダメですよ!
身寄りのない高齢者が増えている現在、このような形で財産を得ようとするケースが増えないことを願います。
私も遺言書作成のお手伝いをしておりますが、もちろんこのようなお手伝いはできませんからね!