あなたにも相続税がかかるかもしれません
税制改正のニュースが大々的に流されていますので、来年4月からの相続税の増税のことをご存知の方も多いでしょう。
そこで、ここでは、実際にどれだけの増税が予定され、どのくらい皆さんに関係してくるのかを整理してみたいと思います。
実はこれまで、相続税が発生するケースというのは、それほど多くありませんでした。
その原因は、「基礎控除」にあります。
簡単に言うと、遺産額が基礎控除額に満たなければ相続税は発生せず、基礎控除額を超えた部分にのみ相続税がかかるということなのです。
基礎控除額は、これまで、「5千万円+1千万円×相続人の数」とされてきました。
具体例で説明しましょう。
たとえば、ご主人が亡くなって、相続人が奥様とお子さん2人(つまり相続人は3人)というよくあるケースでは、
5千万円+1千万円×3人 = 8千万円
が、基礎控除額となり、遺産額が8千万円を超えなければ、そもそも相続税のことを考える必要がなかったのです。
この場合に、もし遺産額が1億円だったとすると、基礎控除額8千万円を引いた残りの2千万円にのみ、相続税がかかることになります。
都市部の駅前に平地の不動産を所有しているような場合には、評価額が8千万円を超える場合もたまにあります。
しかし、マンションにお住まいであれば、よほど金融資産をお持ちでない限り、8千万円を超えることはそう多くありません。
ところが、今回の税制改正によって、この基礎控除額が大幅に下げられることになりました。
具体的には、「3千万円+6百万円×相続人の数」となります。
ということは、先ほどの相続人3人の例で見ると、
3千万円+600万円×3人 = 4千8百万円
が基礎控除額となります。
これによって、相続税が発生する事案が大幅に増えることが予想されます。
実際、これまでは年間に相続税の対象になる人は約4万人(全体の4%)程度でしたが、来年度からは7万人程度まで増えると言われています。
さすがに8千万円はないけど、いろいろあわせると5千万くらいはあるよ、という方もいらっしゃるでしょう。
そのような方が、今回の税制改正を一番気にしなければならない方です。
相続税の負担をできるだけ少なくするためには、早めの対策が必要です。
今後、具体的な節税の方法についてもご説明していきますね。