<非正規社員>健康格差も深刻 健保、健診…制度見直しも

毎日新聞 10月10日(月)8時39分配信
事業所規模別パートタイム労働者の定期健康診断の受診割合
 非正規と正社員の待遇格差で、賃金に加え指摘されるのが健康の問題だ。健康保険の加入は今月から適用条件が拡大されたものの、対象は従業員501人以上の事業所など一部。専門家からは雇用実態に合わせた制度の再構築を求める声も上がっている。

 ◇保険料減免できず

 神奈川県の女性(45)は昨秋、9年間契約社員として働いた大手保険会社を退職した。人手に余裕がなく、風邪をこじらせても休めない。副鼻腔(びくう)炎からめまい、難聴などさまざまな症状に苦しんだ。有給休暇をとろうとして上司にどなられたこともある。「契約更新されるのか不安であきらめた。体を治すには退社しかなかった」。不調を感じてから4年がたっていた。

 失業給付を受ける東京都の女性(39)は約4年前から派遣で働いた。健康保険に加入していたが、残業の多さに耐えかね退職。今年1~3月、別の派遣元で登録し2カ月契約で働いた。

 派遣労働は契約により仕事のない期間も生じるため、人材派遣健康保険組合では一定条件を満たせば、派遣元との使用関係が続くと見なし、仕事のない期間も被保険者資格を続けられることがある。

 だが女性は次の契約が見込めなかったため加入できず、国民健康保険も手続きしないうちに1月、高熱を出した。診療を受けず出社した後、同僚が次々インフルエンザと診断され「自分が原因だったのでは」と振り返る。

 保険料の減免について区役所に相談したが、会社都合の退職ではないとして簡単に認められそうにない。1~8月分として示された保険料は約17万円。「健康診断は2年前に受けたきり。保険料も非正規の実態に合わせて減免してほしい」と願う。

 厚生労働省が2014年にパート労働者1万3417人と5065事業所に聞いた調査では、定期健康診断を「受診した」と答えた労働者は、従業員49人以下の事業所で57.9%、300人以上で82.2%。パートの健康管理規定が「ある」と答えた事業所は49人以下で53.1%、同300人以上で74.4%と小規模の事業所ほど低かった。

 ◇管理は事業所任せ

 帝京大学大学院の井上まり子准教授(公衆衛生学)は「雇用されて働く人の4割が非正規雇用である今、大企業中心で終身雇用を前提とした現行の産業衛生の制度は見直し時期に来ている」と話す。

 健康格差は海外でも課題とされる。不安定さや職場での疎外感がメンタルヘルスに影響しやすいことや、非正規ほど研修や保護具が不十分で労働災害が起きやすいことが研究で明らかになっている。

 非正規雇用の健康管理は、形態ごとに特徴がある。パートの場合、労働時間が少ないと健康診断の対象から外され、別の職場と掛け持ちで働いていても把握されにくい。派遣労働は雇用主の派遣元と職場の派遣先とで労働安全衛生法上、健康診断の種類によって実施責任の所在が分かれる。それぞれ対策が必要であり、労働基準法や労働安全衛生法はすべての労働者に適用されるはずだが、「管理の徹底は事業所に任せられているのが実態」と井上さんは指摘する。「健康診断は予防や早期発見の第一関門ですが、週40時間以上働く人が対象の国内の調査でも、受診率は、派遣の若年女性で6割、パートの男性で4割と低く、社会問題です。問診に雇用形態を尋ねる項目を設けるほか、産業医は健診からもれる従業員を意識するなど、自治体や医療機関も含め全体で考えるべきでしょう」と提案している。【大和田香織】


▲Yahoo!ニュースより



私が知る限りの話ではありますが・・・、

派遣従業員の「健康診断」について、

定期検診と特殊検診の実施自体はあっても、

人間ドックまでは実施されていないのが現状です。

しかも、その派遣会社の正社員は受けさせてもらっているのです。


つまり、経費の問題。


派遣会社は、

派遣社員まで人間ドックを受けさせる余裕がないという事になりますね。


逆に法律上受けなければならない定期検診を自らの意志で受けない人もいますけど。



さらに、

雇入れ時健康診断を実施していない派遣会社もあるのではないでしょうか?

派遣会社に限ったことではなく、

従業員の少ない企業においても言えるかもしれませんが。



私は以前、

赴任後の「入社書類取りから入社研修」までを担当していた頃がありますが、

それも私が企画をして実現したもの。

それまでは業務管理者がぐだぐたにやってましたから。

まあ初期定着を目的として始めたのですが、

その中で、

「雇入れ時健康診断」をカリキュラムの中に初めから入れました。

事務所の近くの病院をいくつかまわり、

普通の相場として1万円ちょっとするところを、

年間300人という見込みがありましたので、

そこを売りにして一人7500円だったかな?

ちょっと忘れてしまいましたが、

7000円台だったことは間違いありませんが、

病院との交渉の上、

原則全員受診させてました。


もちろん、

会社として「ちゃんとやっている」という事を従業員にアピールもしながらですけれど。

そのおかげで、

早期退職者の数は大いに減りました。


これから派遣業界を考えている方々、

雇入れ時健康診断をやらない企業、

雇入れ時安全衛生教育をまともにやっていない企業に出くわしてしまった場合、

入社前に丁重にお断りすることをお勧めします。

やるべきことをやっていない企業ですから。



さて、

人間ドックを受けさせない、

定期健診でも内容を削るという事をやっている、

そんな現状があって良いものだろうか?


これから派遣業界に飛び込もうとする方々、

どう思いますか?

そして、

コンプライアンスを重視しなければならない派遣会社側の方々、

どう思いますか?


身体が資本の世界です。

そういった福利厚生を怠っているのに、

「休むな!」とか言えますか?

契約社員本人にも言えることです。

自分で自分の身体の管理をしっかりしなければ、

貴方の為に他の人に迷惑をかけるのですよ。


言われなくてもできないなら、

労働安全衛生法・労働安全衛生規則の健康診断の項目を、

厳罰を伴ったもっと厳しいものにするべきと思います。