今回は、
理事就任前の見学で訪れた

生活介護入所施設
みはらしの丘、

みはらしの里

でのひとコマをご紹介します。




生活介護入所施設でも

みはらしの里は、


ADLActivities of Daily Living

日常生活動作が、

全介助を必要とする状態の方

暮らしています。


みはらしの丘は、

昔は授産型入所施設と呼ばれ、

今の就労継続支援B型のような

作業をしながらそこで暮らす、

という施設でした。


今は、作業だけでなく、

絵画療法、音楽療法などを行い、

生活の質=QOL(Quality of life)

上げる創作活動などを行っています。



ただ、歴史ある施設なので、

入所されている方の高齢化が進み、

できる活動も変化していて、

必要な介助の度合いが進み、


グループホームからみはらしの丘、

みはらしの丘から

みはらしの里の方に移動するなど、


同じ法人内で、

実態に合わせて長く暮らせるよう

工夫しているそうです。



また、現在、

みはらしの里には、

ADLの能力は高いのですが、

強度行動障害があり、


人と接することが苦手でストレスになる

ため、数部屋あるエリアを特別に

割り当てて、一人で暮らしている

方もいらっしゃいました。


広い施設だからできる配慮ですね。



私が見学した日は、

廊下でせっせとソファを運ぶ作業に

没頭していました。



壁には、
施設長との約束事
本人が書いたものが
貼られていました。


耳からの指示は

記憶から抜け落ちてしまうのですが、


自分で書き、それを見ると

しっかり記憶できるそうです。


書くことで安心し、
それを見ることでまた安心
する効果もあるようですおねがい


自閉症のカメラアイという

見たものを写真を撮ったかのように

隅々まで記憶できる、

視覚優位の特徴が強いのですね。



その方の文字はとっても几帳面で、

フォントと呼びたいくらい個性的な書体びっくり


下が一部拡大した写真です。


朝食、昼食、夕食の部分以外は、

活字のように同じに書けています‼️

        ↓


「歯ラシ」「歯がき」

「歯」の字は誤字だし、


それぞれ、「ブ」「み」が脱字

になっていますが、


なんだかとても伝わってくる、

記号みたいでかわいいおねがい




次に食堂を見せてもらいました。


広くて明るい食堂では、
入所者さんの
健康状態こだわり自立度合いにより、


食事の提供の仕方
細かくテーブルやメニューごとに
記載
されていましたおねがい




みはらしの里の食堂



みはらしの丘の食堂




すずは、

一口大にカットしないと
お肉や野菜を食べない
ので
心配していましたが、
丁寧な対応で安心しましたおねがい


次に見せていただいたのは、
大きなお風呂。

車椅子ごと入れるお風呂です。

(みはらしの里)


展望風呂と言ってもいいくらいの見晴らし。



窓から

歩行者専用吊り橋では日本一の

三島スカイウォーク

も見えます🌉


すずは中2の今も、
自分で体や髪を洗えません
(洗おうとしません
悲しい)。


毎日教えていて
がっかり
してしまうし、

入所するようになるまで
どう教えればいいのか悩んでいたので、

案内してくださった女性職員さんに、
質問してみました。



👩「身体の洗い方を毎日
教えているのですが、
頭を2、3回こすって
『ゴシゴシ』と口先だけで…」

すると、

🙍‍♀️「お風呂は好きですか❓」

と一言。

👩「はい。水遊び全般が大好きで、
頭からシャワーをかけても

OKなくらい平気です❣️」


と答えると、

🙍‍♀️「いいですね。
お風呂、お水が嫌い、苦手だと
ご本人も職員も大変ですが、
洗うことは私たちが支援しますので、
自分で洗えなくても大丈夫
ですよ〜」


と言ってくださいました。


入所するまでに

何か一つでも
自分でできることを増やそうと
親はつい焦ってしまいます
が、


できないこともある、

でも、

笑顔で支援してもらう

ことができる子に育てればいいんだ、


お風呂が好きで、
機嫌よく入ることができれば
施設に入っても大丈夫、

自分で洗うようになったらラッキー
くらいの気持ちで、

気長に教え続けようと、思えましたおねがい




市街地から離れた山の方にある
古い施設
は、


知らない人からしたら、
「何だろうね、あの建物えー

遠い存在に思われがちです。

福祉業界では最近、

大型入所施設を建てるのではなく、

「地域移行」と言って
小規模のグループホームを住宅地に建てる、
訪問ヘルパーさん、移動ヘルパーさんの

支援を受けながら自宅で暮らす、

といった方向にシフトしています。

もちろん、親元で、地域で、

必要な支援を受けながら

暮らせたらいいのですが、

まだまだホームは足りないですし、

ヘルパーさんも足りません。


また、健常な人も都会派と自然派がいて、
街中に住むのが好きな人、
不便でも山や海の近くに住みたい人が
いるように、

障害のある人の好みも、
いろいろな規模、タイプ、立地
があります。


親元を離れ、施設に入った方が、

家庭生活よりも日課が安定しているので

ルーティン化しやすく、

落ち着く人もいます。


自宅、グループホーム、入所施設から

障害者本人や介助する家族に合う

住まい方を選べること、


どのタイプの住まい方でも

地域との関わりが保たれることが、

障害のある人たちの住まい方として
スタンダードになるといいな

感じました。



人里離れた所に建つ

大型の入所施設も含めて、

「地域」と考えて、


障害者本人や家族は地域に馴染む努力をし、


地域の人は障害者家族の暮らしに

少しでも関心を寄せたり

関わったりする努力をする。


障害者の

「地域移行」というより、

両者による

「地域全体の多様性の実現」

というイメージです。



最後に、見学中、ところどころで
職員さんと利用者さんが、
家族のように会話を交わしていること、


案内してくださった

みはらしの丘施設長のTさんが、


入所している方の安全性を保つことと

QOLを保つことのバランス、支援の仕方は、

これでいいのだろうかと常に悩んでいます

とおっしゃっていたことが、

印象的でした




学生さん、
子ども、人と関わる職種を目指す方、
そうした職に就いている方
に、


ぜひ施設を見学してもらって、


利用者さんとのコミュニケーションを
楽しみ、

施設の暮らしを感じてほしい

と思いました。


訪問医療、
出張美容院、

カフェ、雑貨販売、
地域とのイベントなど、


どの施設さんも、

いろいろな工夫をして

地域との関わりを

増やすようにしています。

そうやって。障害のある人と会う機会、

会話を楽しむ機会を創出し、

もっと知ってもらうようにすれば、

見晴学園のような

人里離れた入所施設も含めて

「地域」の仲間と捉えてもらえるかなあ、

そしてその地域全体がどんな人にも

住みやすい、やさしい場になるのかなあ

と思いますおねがい




3話に渡った見学のお話は

おしまいです。

長くなっちゃいました💦


【みはらし】シリーズは、

これからも、ちょこちょこ

書いてみようと思います。





見学のすすめ①


見学のすすめ②