2022年10〜12月の
毎週月曜日、

静岡新聞 
📰

夕刊コラム「窓辺」
を執筆させていただくことになりました✨


静岡新聞社の許可を得ましたので、
紹介させていただきます。



 

【窓辺11】
担任の当たり・外れ

2022.12.12





すずは、本当に

学校の先生、

デイの支援者さんに恵まれて、


学校がとても楽しそうです。


仕事とはいえ、

特別支援学校の中でも

他の子より手がかかるすずを

理解し、支援、指導してくださって

本当に感謝しています💖





でも、

担任ではないのですが、


「特別支援学校なのに、

 こんな対応をされてしまうなんて…」


と驚き、

涙が出るような出来事もありました悲しい





すずが学校で、

何かに不安や不快があって、

ある先生の髪を強く引っ張ってしまい、


それを見た担任ではない先生

力づくで引き離そうとしたのです。


髪をつかんでいるすずの手を

爪を立ててむしり取ったのでしょう。

◯年経った今も傷が残っています。



👇傷を見たときにはショックで

 写真を撮ることも思いつきませんでしたが、

 ママ友に「念のため撮っておいた方がいいよ」

 と言われ、1週間後に撮ったものです。


👇さらに1週間後の写真。

 爪跡の大きさや位置から、

 大人の手であること、

 向きを変えて、何度かむしり取られた

 ことがわかります。



これに対して、

私がしたことは…





クレームではなく、

情報共有です。



はじめは、

・傷を見て酷い…と涙が出ました。

特別支援学校なのに…と驚きました。

・でもそれだけ強い力で

 先生の髪を引いてしまったことは

 本当に申し訳ない…
 胃が痛くなりました。

・髪引きは、一番甘えられるパパ、

 次に他の家族、

 慣れているデイの先生には

 することはあっても、今までは
 お互いケガをせずはずせてきたのに

 学校の先生にするようになってしまって

 このまま他害が酷い子になったら

 どうしよう…と焦りました。

トラウマになって二次障害になって

 しまったらどうしよう…
 すごく不安になりました。

とにかく、

頭がぐるぐる、胸がもやもや、胃がしくしく

しました悲しい



でも、

連絡帳に何を書こうか

考えているうちに、



私が望むのは、


娘にも、

先生方や周りの人にも、

ケガをしないでほしい。

お互い不安やストレスを

減らして

楽しい学校生活を

送ってほしい。


ということなので、

起こってしまったことに対して

叱責や苦情、原因追及をしても

意味がないと思ったのです。



若い先生なのか、

そうでなくても

すずのようなタイプの

最重度知的障害・自閉症のある子に

接した経験がなかったのか、


とにかく

すずの大きなパニックを見て

怖かったのでしょう。


痛そうにしている

同僚の先生を助けたかったのでしょう。


傷が残るほど強い力で引き離したことに

罪悪感を感じているかもしれません。


親でもうまく対応できず、

大きな声を出してしまったり、

力が入ってしまうこともあります。

怖い、痛いと思います。

(爪を立ててむしり取ったりはしませんが…)


長い時間を過ごす学校で、

すずに笑顔で過ごしてもらいたいし

先生方にも痛い思いをしてほしくないので、


学校側、家庭側と線引きせず、


先生を敵に回すのではなく、

すずの味方、良き支援者、

「チームすず」のメンバーに

なってもらえるよう、

何を伝えるか考えました。



その内容は、

・娘の髪引きをお詫びし、
 先生方におケガはなかったか確認。
・パニックが大きくなると、
 力が強くなってきたので、
 親でも怖いし何より痛いことに共感。
・娘が髪引きして離さないときの
 心理状態を説明
 →何かに強い不安感、不快感があり、
 寄り添ってほしくて引っ張っている
 ので、それ離そうとすると逆効果。
 余計に引っ張りたくなる。

心理士さん、作業療法士さん、
 デイの支援員さんといつもやっている
 効果的な対応方法
の手順を
 具体的に説明
 →引っ張ってる手を
 引っ張られてる人の頭に押し付ける。
 するとつかみにくくなる。
 痛いけれど、離すことより
 まず安心させることが大切。
 「大丈夫だよ」と抱きしめたり
 強めに頭をマッサージして、
 不安や不快な気持ちを一旦受け止める。
 少し力が抜けてくるので
 好きなおもちゃや音楽で気をそらすしつつ
 離すようにする。



学年での活動があるので、
担任だけでなく、学年で共有してほしい
ので、これらを文書にまとめて
連絡帳に挟みました。



ママ友は、


「これは家に謝罪に来るべきレベルだよ❗️」

「校長先生に報告したら⁉️」


と怒ってくれましたが、


それをしても、

今後のすずの学校生活、

先生方の学校生活は

良い方向には向かわないと思い、

冷静に対応してよかったと思いました。



その後は、

髪引きや服への噛みつきがあったときにも、


その原因と思われるすずの

心理状態や

どう対処したかを丁寧に

連絡してくれるようになりましたし、


お伝えした方法で

対応してくださったようで、


次第に髪引きも減っていきました。



長くなってしまいましたが、


とにかく、

支援が必要なわが子。


どれだけ味方、支援者となってくれる

「チームすず」のメンバーを

増やせるかが

親亡き後のための財産となると思うので、


1年間のうちにチーム力をアップ

できるように、


担任の先生とは、

毎年しっかりコミュニケーション

を取っていきたいと思っています❗️


先生も親も子も人間同士だから

相性の良し悪しはあるさ✊🏻


親でもないのに

手のかかるわが子を

一緒に育ててくれているんだという

感謝を忘れず、でも伝えるべきことは

伝えていきます。




それでは、また来週👋


↓窓辺12