講演にご参加いただいた方からの質問です。


感覚過敏な自閉症の子が、
幼少期からゲームやYouTubeを
使用することについて
どのように思われますか?



サムネイル

時間や場所などの
ルールは必要
ですが、

視覚認識、聴覚認識がしやすいので、
発語がない、読み書きが苦手、
手先が不器用などの
障害を補うツールとして、

タブレットそのものは、
定型発達のお子さんよりも
発達障害のある子には
必要性・有用性は高い
と思います。


ただし、ゲームは
大人でもハマってしまう
依存性の高いものなので

こだわりや誤学習にならないよう
充分な配慮が必要だと感じます。


定型発達児さん、健常児さんには
なるべく五感を使った遊びや学びを
脳ができあがる前に、充分に
してほしい
と強く思います。


すずは、知的能力からしてゲームは

もぐらたたき的なものしか理解できず、


それもせっかくタップできても、

「だから何❓」みたいな顔をして、

楽しめないようで、ゲームはしません。


(私もパパも、闘争心もないし、目が疲れるし、飽きっぽいのでゲームには夢中になれず、まったくやりません。向いていないみたいです😅)



でも、

YouTubeは毎日聴いています。



見ている、というより「聴いている」のです。


昭和に、若者がラジカセを耳に当てて

聴いていたようなスタイルで🤣




↓このスタイル、自閉っ子あるある⁉️

 メロディだけでなく、

 鼓膜の振動を楽しんでいる感覚遊びのよう。





障害のある子どもには有用、

というのは、


例えば、すずの場合、

テレビやDVDだとボタン操作が

知能の低さと不器用さでできず、

一人で見たいものを再生できないですが、


iPadなら、サムネイルを見て

タップやスワイプで

すごい速さで目当ての動画を探して

自分で見る(聞く)ことができます。



↓iPadを持ってうろうろ。

 投げられても大丈夫なカバーは必須です‼️








あまり画面を見ている時間が長いと

脳が興奮して

睡眠の質が落ちるので、

なるべく寝る前は見せずにiPadを隠して、



寝る前には、

他の音の鳴るおもちゃや絵本を渡し、

リビングの灯りを

暖色系で弱く暗くしています。



脳内で強くインプットされ過ぎるのも

自閉っ子の場合、心配なので、


画面にロックがかかったら、


「開かない、おしまい」


と言って、

楽器や音の鳴るおもちゃや絵本を渡します。


これで、今のところ、

「iPadじゃなくてもまあいっか」

という感じで、

強いこだわりにはなっていません。




↓ウクレレのチューニング⁉️




↓アラン🐾に絵本の読み聞かせ風⁉️




でも音、音楽が好きなので、

食後トータル1時間半くらいは

聴いてますねえ💦

気をつけなきゃ😓


画面はあまり見ず、合間に絵本などを見ながらですが)




以前、心理士の先生に、

DVDやタブレットを見せておくと、

音楽が好きでひとりで過ごせるので

つい見せてしまうけど

控えた方がいいですか❓

…と相談したら、


おかあさんが家事をしたい、
食事をしたい、というときや、

家以外の場所で落ち着いてほしいとき
もありますよね。


そういうときに、

これがあれば
ひとりで落ち着いて過ごせる、

という安心ツールとして
使ってもいい
と思いますよ。


あまりにも長時間だと考えものですが、

話を聞いている限り、

そんなに神経質にならなくても
いいと思いますよ。


と言ってくださいました。



私個人としては、

小中学生のうちは、

親の管理のもとで1日2時間くらい

いいのではと思っています。



今はいろんな市町で

小学6年生(もう全学年❓)に

タブレットを配布しているようですが、


特別支援教育の現場でこそ

障害を一部補いつつ学べるツール

として有効ですが、


(すずも、ひらがなアプリを見て、

 あ、あひる、い、いるか、

 などとオウム返しすることも。

 絵と字と音声が同時に認識できるのは

 自閉っ子にはとても伝わりやすいです)



定型発達児、健常児さんには

(障害児さんもですが)

自分のもつ力(五感)をなるべく

使って、遊び、学んでほしいと思うので、

一人一台、子どもに持たせることは

させたくないです。


(余談ですが、すずは市民だけど、

 学校は県立なので、

 市からタブレットは配布されません。

 特別支援教育の現場にこそ

 使ってほしいですが、支援学校は県立で、

 県からももらえません。

 特別支援教育でタブレットを

 支援ツールとして活用している先進国が

 多いなか、日本って発展途上国ですよね😭)



タブレット学習は、

脳の成長や経験がすでに蓄積されてきた

社会人にはいいけれど、


中学生以下、できれば高校生にも

日常的にさせるべきではない

と個人的には思っています。


先生がファシリテーターとして

授業で必要に応じて動画や立体映像などを

見せるなら有効ですが、



日常の学習では、


手で書き、


分厚い辞書のペラペラの薄いページを

めくって言葉を探し、


隣に載っていた関係ない単語にも

興味が湧き、


変な単語もこっそり調べたりしながら、


好きな筆記具やノートの感触や匂い、


書き心地なども感じながら、


先生が黒板に何色で書いたかを記憶しながら


五感を使って学ぶべきだ、



それが大切な周辺記憶となって

思い出すきっかけになったり、


不便さやもどかしさを感じたこと

何かを生み出す源になるはずだ、


と経験的に強く感じているからです。




スティーブ・ジョブズも

ビル・ゲイツも

子どもにはスマホやタブレットを

持たせなかったと聞きますよね。


子どもの脳への影響

誰よりもわかっているからでしょう。




プログラミングの授業なども、

個人的には

幼いうちからやらない方が

いいのになあと思います。




後からいくらでも学べるし、

子どものうちにしかできない

脳の成長があると思うのです。



何しろ、デジタルの世界では、

プログラミングしたら

その通りにものが動き、


達成感は味わえるかもしれませんが、

リセットも成功することも簡単。



でも、世の中には、

思い通りに、計画通りに行かない

ことの方が多くて、


失敗することもある、

でも、

失敗しても「そんなこともあるさ」と

へこたれない、


がんばってもできないこともある

という理不尽さや

できない人もいるという事実を、


幼い頃から経験すること、



つまり

成功体験とともに

失敗体験もすること

が大切だと思うからです。





話が膨らんでしまいましたが、

便利さと不便さ、



自力でできること、

道具や支援があってできること、



そのバランスをうまく取って


すずも私たち親も

IT(デジタルツール)を

利用していきたいと思います。