カレントトランスセンサー接続のメリット デメリットをご紹介いたします。
CT方式や CT専用機は
電気的にオーディオアンプと絶縁されていますので
BTLアンプや 真空管アンプなどの出力構造に無関係かつ
無影響で接続出来ます。
最近のアンプは 旧オーディオ機のようにREC OUT接続もできなくなっているので
多くのメーターファンが「スピーカーに接続するしか全ソースに対応できない」で
この様にアンプの出口に繋ぐ方も多いです。
形としてはこの仲間(グループ)の接続となります。
↓
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旧 アイソレーションアダプタは高額だったので
絶縁接続ユニットを
安価に可能にしたのが CTケーブル または CT専用機となります。
CT(カレントトランス)とは 産業用のもので
わっぱに通る電流を電圧信号に変換する特殊なトランスで
大型家電やロボット 計測器 漏電遮断機などに応用されています。
クワガタムシ形状のクランプテスターなど
に似た構造です。
しかしながら 通常の「信号直結接続方式」と異なった特性があるので
ココで説明いたします。
■ メリット
1:専用の接続信号端子やTAPE端子を装備したアンプを必要としない。
2:スピーカーケーブルをワッパに通すだけの簡単接続。
3:スルーパスのようにオーディオ信号を外に出さないから
オーディオの音質グレード ノイズ混入に全く影響しない。
4:装置そのものが低価格
5:BTLアンプ 真空管アンプなどの出力構造を選ばない。
(BTL機でも安全)
■ デメリット
1:CT(コイル受信)であるため コイルの特性(低域のf特)に影響される※1
2:ヘッドホン使用時には動作出来ない。(スピーカーが鳴らないような使い方)
3:スピーカー電流に従うため音量(ボリューム)の大小に影響される。
4:感度調整が若干幅が大きく操作を必要とする。
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さて※1の周波数特性です。
CT自体はオーディオ専用に開発されたデバイスではないため
読み取りに若干の歪みと 周波数特性を持ちます。
歪に付きましてメーターの振れ幅に影響をあたえるほどではありませんが
周波数特性はトランスのコア材の影響を受けます。
個体差は±0.5dBの幅はありますが
おおむねこのような特性を持っていました。
100Hz以下は-5dBという下降が見られます。
実用動作幅は100-20KHz(実際は上は伸びている)と考えられます。
(計測条件 IL=20mA RL=4.7kΩ 50Hz-30KHz)
1KHzを中心に見た場合 それより上側と 下側に山が見られますが
インプットトランスとして代表の山水トランスST11/ ST12とほぼ似た特性を示します。
↓ 山水トランス公式データより
特性が似ているのでCTのコア材質はこのタイプを使用していると思われます。
実際に音楽で動かした場合
ご家庭で普通に曲の流れを聞きながら指針を見ていて
特に違和感は感じられませんが・・・
80Hz以下までの「指針位置」を正確ににトレースして欲しい!
というご要求に応えるのものではないので
この部分にて精密計測としては向かないと思われます。
正確にトレースをご希望の方は従来品 (CT機ではない直結タイプ)を
ご検討くださいませ!