優しい水彩画 | suzu-voice

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わたしの、すべて。

 

 

 

その絵は
建物の一番奥の壁に
ひっそりとかかっていた。


うっかり見逃してしまうかも
しれない

でも
見つけられたら
すごくうれしくなる
そんな場所で


私をずっと
待っていてくれたような
そんな気がした。


それはとっても優しい色彩の
水彩画だった。

絵がある壁と
トーンがマッチして
インテリアとして
溶け込んでいる。

しばし
その絵をじっくり眺めてみる。

子どもの頃に
わくわくしながらページをめくった
絵本の中に出てくる
幸せな世界だ。


ふと窓の外を見ると

その世界が実際に
広がっている!

そこで遊ぶ幼い少女の後ろ姿が
見えた気がした。

楽しかったね。


淡い午後の
魔法にかかったような時間だった。