日本酒の仕込みにはやはりよい水が必要です。
今でこそ端麗辛口の産地として、山形、新潟などがありますが、江戸時代の産地といえば灘の宮水です。
灘が美味い酒の産地になった理由は、うまい水が豊富にあるところ。
さけにミネラル分が多く入っていると、濃厚なこくがある酒ができるようです。
そのせいか、明治40年代の酒の品評会上位の酒は、灘、伏見の酒がほとんどだったそうです。
しかし、昭和になると、全国各地の酒が上位に名を連ねるようになったとのことです。
東北、新潟の日本酒が美味しいとは言われていますが、灘、伏見以外でも、広島、焼酎で有名な熊本にも、濃厚でうまい酒はあります。
化学的に進んだ中で、判ってきた基準では、水の中に含まれる鉄分も大きな影響を与えるようで、
水道水基準では
Fe<0.3mg/L
ですが、清酒業界の基準では
Fe<0.02mg/Lのように基準が厳しくなっています。
色が付くなどの直接的な影響が出るようです。
こんな理屈は抜きにして、昔からの傾向で、戦時中のように、世の中が緊迫している状態の中では甘口の酒が、平和なときは辛口の酒が好まれるようです。
今の日本酒は、淡麗辛口がはやりと思うので、平和なのかな?