昔ガソリンスタンドでフェラーリを見た。親子らしく、助手席から 低学年の小学生が降りてきた。私は思わず吹いてしまったのだが、その小学生は昭和のヤクザ映画よろしく肩で風を切り、とても偉そうであった。今の子供達を見ても全く同じだ。下校時に奇声あげたりバカ笑いをしている学生をよく見る。教育や子育てに問題がある事は明白だが、一体昔と何が違うのだろうか?


私の幼少期は男の子は殆ど坊主、女の子はショートヘアであった。洋服も色気がある服やブランド物はもってのほかであった。そんな服を着ている子供は、大体水商売の子供であった。昔はサッカーや野球の試合で金切り声で応援する母親はいなかった。子供から見てもグッと何かを我慢している様だった。今思えば「子煩悩」という概念を知っていたのだろう。


子供も学びに必要な事は「自分の価値は0」だという事だ。子供は現実を知らず思い込みが強い。故に自惚れ過ぎても自己否定が強過ぎても物事を受け入れられない。子供は素直が一番である。子供が素直で居られる環境が大事だと思う。現代の様に幼い頃から子供に自己主張させる子育て、教育は間違っている。子供はまだ自分を確立していない。自分を知らないのだ。子供が自分には価値があるという思い込みは「親から見た子供の価値」であって子供自身が生み出した価値ではない。まだ自分と他人の境界線を築けない子供に、自我は必要がない。今の子供は、間違った自己を植え付けられているに過ぎない。自分を変えようなど無理な話だと。本当の自分ではないからだ。


ブラジル人の間で「日本病」という言葉がある。日本の便利で安全な生活に慣れ、家族が居るブラジルには帰れなくなってしまった状態を言う。つまり愛よりも楽を選んでしまった病気という訳だ。


日本は成長が早過ぎて大切なものを失ってしまった。