FM和歌山を訪問した後、
一年前の金環食を観測したこの海岸で一夜を過ごすこととしました。
野宿生活もだいぶんに慣れ、
当初抱いていた恐怖も次第に薄れていきました。
(地域的に人口が少なくなってきたこともあったかもしれませんが…)
人気の少ないビーチは、ありがたい。
ビーチの隣にはたいてい松林があり、テントを張るには絶好の場所。
そして、公園などがあればトイレもあり、何より水道があることがありがたい。
食事の際も助かり、
人影が減ったら水道で洗濯。
着替えはTシャツとブリーフ2セットずつ、
半ズボンは旅の間、同じものをはき続けました。
化繊の乾きやすいものだったので、
夜の間に石鹸でごしごし荒い、
朝までには何とか乾いてくれました。
元々アトピーの私の肌もよく耐えてくれたものでした。
きっと蒸れが一番の大敵だったようで、
直射日光にガンガン当てていたほうがまだよかったのかもしれません。
例年はあせもでひざ裏がボロボロになるのですが、
旅の途中痒みは出たものの肌は何とか耐えてくれました。
ただやはり風呂に入れないことが苦痛で、
できるだけ毎日ぬれタオルで体を拭いたり、
海水浴場のシャワーを利用したり、
結局湯船につかることはありませんでした。
夜のテントの中は当初の予想以上に快適で、
カプセルホテルのような心地よさ、
知らない間に蚊が入ってきて苦戦していたのが嘘のように、
抗体ができたのか蚊が気にならなくもなってきました。
話が横道に逸れたついでに、
宿泊場所についてあれこれ。
ある場所でたまたまベンチがあり休憩していたすぐ近くに
交番がありました。
やはり警察官は怪しいと思ったのでしょう、
自転車で交番に帰ってきて私のほうをちらりちらり、
怪しまれるのも嫌なので、こちらから「こんにちは」
すると、少し気を許したのか「歩いてはるんですか?」
そんなこんなで旅の話をしていると、
『ご主人、たいへんですな。野宿するのはええけど、住民から苦情が出んようにしてくださいね。
些細なことでも苦情を言うて来る人が多いんですわ。
私らも通報されたら行かんとあかんので気いつけてくださいよ。」
そういえば居住地近くの公園にテントを張ったことはなかったが
そんなこともあるかもしれないし、充分注意しよう。
そんな訳で、止まる場所の近くに交番を見つけたら
自分から先に挨拶するように心がけました。
何の冠の人間は進歩するものかもしれません。
そんなこんなで、6日目を迎えた私は
旅の第2目的地、海南市藤代神社を目指しました。
写真は浜の宮ビーチ南手に見えるポルトヨーロッパ。
橋の向こうはもう海南。