小瑶の友人が私の家に居候になって1週間が過ぎてきた頃、流石に

少し不安になりました。「いつまでも居座るんじゃないか?」


なんと言っても中国人の遠慮の無さは、逞しさと言い換えても良いと

思いますが、すごいものがあります。遠慮していては生きていけ

なかった国です。今でも農村部などは特にそうなのかもしれませんが。


約束は10日以内ならOKだったので、「金曜日に出て行くことは

出来ますか?なぜなら土曜日に上司が私の生活を見に家に来る

かもしれないから。ごめんね」とメールしました。上司が来るという

のは嘘ですが、これは方便です。「出て行け!」とはさすがに

言いにくいですしね。


そうしたら「こちらこそごめんなさい。金曜日までには出て行きます」

と返信があり、一安心しました。そして実際金曜日に出て行きました。


この間、約10日でしたが、彼女たちはそれなりにおとなしくして

いました。私の洗濯物を洗ってくれたり、レトルトだけどご飯を

作ってくれたり、果物をくれたりと、色々してもらいました。


それはそれでありがたかった訳ですが、後半の彼女たちの行動は

とても不思議なものになりました。真夜中(23時以降)に出かける

のです。「友達と遊んでくる」「ネットカフェにいってくる」と言って

いましたが、目的はイマイチ分かりません。そして朝になっても

帰ってきません。最後の方は、私が晩御飯を食べて帰ってきた

時に既に居ませんでした。でも洗濯物は干してあるし、昼間に

家に居たことは間違いないのですが。遊んでいたのか、何を

していたのか、全然分かりませんでした。


ですので、最後のほうは顔をあわせることすらほとんど

ありませんでした。

さて、いよいよ次の日に出て行くとなった木曜日、私が家に帰ると

やはり彼女たちは居ません。彼女たちに貸し与えた部屋は常に

ドアがしまっており、中の様子を見たことはありませんでした。


ちょっと好奇心に負けて、最後の夜だからと、こっそり彼女たちの

部屋を開けて中を覗いてみたのですが、びっくりしました。


4畳半ぐらいの狭い部屋なのですが、1週間ちょっととは思えない

ほどに荒れていました。足の踏み場がないのは当然として、

ベッドの上にまでありえないぐらい服とかぬいぐるみとかが置いて

あり、どうやって寝ているのか、非常に疑問に思えました。写真

取っとけば良かったな~と思いました。ちょっと残念です。あれを

全部トランクに詰めてまた次の部屋に引っ越していくんだろうな~と

思うと、やはり中国人小姐は逞しいと思いました。


この木曜日の夜も彼女たちは帰ってこず、私は12時を回っ

ぐらいの時にシャワーを浴びていたら、玄関のほうが騒がしく

なりました。彼女たちが帰ってきたようです。


ですが、私がシャワーを浴びているので、それに遠慮したようで、

部屋に閉じこもったまま出てきませんでした。シャワーから

あがって、しょうがないので自分のベッドルームで就寝したら、

コンコンと部屋をノックする音が聞こえたので、「流石に最後の

夜だから、一言何か言いにきたのかな」と思い、ドアを開ける

と、そこには彼女たちではなく小瑶が居ました。


「明日彼女たち引越しするね。いままでお邪魔しました」と

言いに来ました。



この辺がこの子の良いところですね。


「うん、分かった。で、貴女は今晩どうするの?」と聞くと、

「今晩は、ここで3人で寝る」との事。


あの雑然とした狭いベッドの上で3人で寝るとは、小瑶も災難な

話ですが、そもそも物理的に良く寝付けるものだと感心します。

中国人は本当にどこででも寝ることが出来るようです。


「そして彼女たちの引越しの手伝いをするんだ」

「そうなんだ、明日はお休みなの?」と聞くと

「明日も仕事なんだけどね・・・」


小瑶ちゃん!貴女はホントにいい子だね。