『きじおくんのバレンタインギフト~パート1~』きじおくんのバレンタインギフトきじおくんがレディーちゃんに手作りのキャットボールをプレゼント。でも、レディーちゃんがビビって逃げてしまい、きじおくんが必死…

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きじおくんのバレンタインギフトの続き

きじおくんとレディーちゃんのキャットボール（続き）

きじおくんがレディーちゃんを追いかけて家の中を駆け回る姿は、まるで小さな冒険のようだった。クッションの隙間をすり抜け、テーブルの下に飛び込んで、さらには長いカーテンを引き寄せてレディーちゃんが隠れる場所を作り上げる。それでもきじおくんは、必死に追いかける。

「待って、レディーちゃん！」きじおくんは声をかけながら、レディーちゃんが逃げる方向に目を凝らした。少しでもレディーちゃんが安心できるように、焦らずゆっくり近づこうと心に決めていた。

レディーちゃんは時折振り返り、その瞳には恐怖が浮かんでいた。きじおくんは、彼女がどれだけ怖がっているのかを感じ取ることができた。追いかけることはできても、今はそれがレディーちゃんをもっと怖がらせるだけだろう。きじおくんは心の中でひとつ大きなため息をつき、少し距離を取ることにした。

「レディーちゃん、怖くないよ。」きじおくんは優しく呟き、静かに手を伸ばしてボールを置いた。ボールは少し転がり、床にコロンと転がった。きじおくんはそのボールをじっと見つめながら、レディーちゃんが近づいてくれるのを待った。

レディーちゃんは、一瞬そのボールを見つめた。そして、少しの間、じっと考えるような表情を浮かべた。

きじおくんはその隙に一歩後ろに下がり、レディーちゃんが安心できるスペースを作った。

その時、レディーちゃんがゆっくりとボールに近づき始めた。足元の毛が少し震えているものの、彼女は一歩一歩、きじおくんの方へと歩み寄ってきた。その足音が、静かな部屋の中で小さく響く。

「レディーちゃん、こっちだよ。」きじおくんは静かな声で、少しだけ微笑んで言った。

「レディーちゃんが少しずつ近づいてきて、ボールをじっと見つめていた。すると、思い切ってそのボールを前足で触った。軽くコロンと転がり、鈴の音が鳴る。レディーちゃんはその音に驚き、少し飛び跳ねたが、すぐにそのボールに興味を持ち直し、今度は前足で軽く突いてみた。

きじおくんは、その瞬間を見逃さなかった。レディーちゃんが少しずつ恐怖を克服していることを感じ取った。きじおくんは、ほっと胸をなでおろし、静かにその様子を見守った。レディーちゃんの目の中には、次第に好奇心が湧き上がってきているのが見て取れた。

「よかった…」きじおくんは、小さくつぶやきながら、少しずつレディーちゃんに近づいた。

レディーちゃんは、最初は警戒しながらも、やがてボールに手を伸ばし、その丸い形を軽く引っ掻いてみた。ボールが転がるたびに、鈴の音が響き、少しずつレディーちゃんの顔に笑みが浮かんでいくのがわかった。

「どう？楽しいでしょ？」きじおくんは優しく言いながら、レディーちゃんを見守った。

レディーちゃんは、ボールをしばらく転がして遊んだ後、少し疲れたようにクッションに横たわった。きじおくんも、レディーちゃんが楽しんでくれたことに安心して、そっとその隣に座った。

「これからもっと遊ぼうね。」きじおくんは、優しくレディーちゃんの頭を撫でながら言った。

レディーちゃんは、少し照れくさいような顔をしてきじおくんを見上げた。そして、やっとその小さな声で「ありがとう、きじおおにーちゃん。」と呟いた。その言葉に、きじおくんの胸はあたたかくなった

「どういたしまして。レディーちゃんが喜んでくれて、僕も嬉しいよ。」

その後、二匹は一緒にキャットボールを転がして遊んだ。時々、レディーちゃんがボールを素早く追いかけ、きじおくんがそれを追いかける。また、時にはボールを二匹で一緒に転がし、鈴の音が部屋中に響き渡った。

きじおくん❤️レディーちゃんは、そんなふうに楽しい時間を過ごした。きじおくんが心を込めて作ったキャットボールは、最初は恐れられたものの、今では二匹の間に素晴らしいつながりを生み出す道具となった。レレディーちゃんのビビり屋な性格を理解し、時間をかけて少しずつ心を開いていったきじおくんの優しさと、レディーちゃんの勇気が、ふたりの絆をより強く深くしたのであった。