今のご時世、なにかと利用規約に同意を求められますが、
法的に保護されないと思われる規約も多く存在している印象です。

そんな中、面白い規約を見つけたので紹介します。

具体的なサービス名までは伏せておきますね。



規約の内容

(17)
本サービスに対する不満を流布する行為。

 



(22-2)
前項に違反したと当社が判断した場合、
当社は違反したユーザーに対して
以下の処分をすることができるものとします。
これらの処分により利用者に
不利益・損害が発生した場合においても、
当社はその責任を負いません。

 





法治国家にとって、人を裁くのは法律です。
よって、利用規約は絶対ではありません。

例えばこちら。

これらの処分により利用者に
不利益・損害が発生した場合においても、
当社はその責任を負いません。


このような規約は多いですよね。
しかし、法律で保護されない可能性がございます。



消費者契約法第8条には、

第八条
次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。


事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、
又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項。


事業者の債務不履行
(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)
により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除し、
又は当該事業者にその責任の限度を決定する権限を付与する条項。

との記載があります。

 



自分都合で一切の責任を逃れることは難しいと判断できますね。

考えてみれば当然です。
極端な考えを言うならば、

「規約違反したから厳しい処罰を与えて、
 その結果人の命が失われた。
 そんな結果になっても
 一切の責任・損害を負わない」という事になりますよね。

少なくとも会社に非がある場合は、
必要な処罰は与えますよ、という話だと思えます。



また、次の例だと
本サービスに対する不満を流布する行為。

これは中々アグレッシブな内容だと思いますが、

消費者契約法第10条には、

第十条
消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又は
その承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の
公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して
消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、
民法第一条第二項に規定する基本原則に反して
消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

 



この「本サービスに対する不満を流布する行為。」というのが、
「消費者の利益を一方的に害するもの」と判断できるか謎ですが、

さすがに自分勝手すぎる規約内容というのはうかがえます。

少なくとも、このサービスに対して一生忖度しなければ
サービスを利用停止、もしくはひどい罰則を受ける可能性もあります。


これは通って良い条項だとは思えません。



利用規約を作る際はお気を付け下さい。

私だったら
「日本の法律に基づく」という条項を1つ書いて終わりですが 苦苦