これ、通常国会審議中に、ある程度財務省には読めていたはずですよね?
昨年度 令和4年度の国の税収は初めて70兆円を超えて3年連続で過去最高を更新しました。一方、2兆6000億円あまりと過去2番目の規模の決算剰余金を計上し、この半分が防衛力強化の財源に活用される見込みです。
財務省が3日に発表した昨年度の一般会計の決算で、税収は71兆1374億円となりました。前の年度よりも4兆995億円増えて、3年連続で過去最高を更新し初めて70兆円を超えました。
このうち法人税収は、好調な企業業績を背景に前の年度より1兆2970億円増えたほか、所得税収も1兆1395億円増えました。
また、消費税収は個人消費が堅調だったことに加えて、物価の上昇も反映して1兆1907億円の増収となりました。税収が増えたことで、新規の国債発行額は昨年度の第2次補正予算の段階での見込みよりも、12兆円抑えられました。
一方歳出は、新型コロナや物価対応の予備費などで支出の必要がない「不用」が11兆3084億円と過去最大となりました。その結果、決算剰余金は過去2番目に大きい2兆6294億円となりました。剰余金の少なくとも半分は、法律の規定に基づいて国債の償還にあてられた上で、残りは防衛力強化のための財源として活用される見込みです。
ただ、この規定について自民党の特命委員会は防衛費増額の財源を上積みして増税の実施時期を先送りするため、期限を区切って例外とすることも検討するよう求めていて、今後議論となることも予想されます。
財務省HPより。令和2年度以前は決算額、令和3年度は補正後予算額、令和4年度は予算額と注記がありました。
財務省HPに上がっていた税収の推移をみると、驚きですね。
令和元(2019)年には60兆円をわずかに超える程度だったものが、10兆円以上も税収が増えているのです。
わずか3年の間に。
それだけ税収が増えるという事は、それだけ日本の経済力(GDP)もアップしていることでしょう。
安倍元総理が目標に掲げていたGDP600兆円超えも、もしかしたら達成も近いのかもしれません。
そしてこの図にある財務省の事前予測すら超えたのが、今回の令和4(2022)年度の税収結果です。
予測よりも5兆円も増えているというのですから、いかに景気拡大が急速に進んでいるかが分かろうというものです。
まあ実感がわかない方もいらっしゃる(私自身そう)でしょうが、実感がわくころには景気が頭打ちになっているものです。
実際昭和末期のバブル景気の時もそうでした。
景気が誰もが良いと感じた頃は、もうその後の『失われた30年』の入り口にいましたからね。
まあその時の好景気にとどめを刺したのが、大蔵省(当時)の余計な通達が原因でしたので、大蔵省→財務省の景気のかじ取りのミスリードぶりは、その時から変わらないとしか言えませんね。
さてここで皆さんに想像していただきたいことがあります。
何事にもお金にうるさい財務省が、7月に入ってからやっと税収が予想外に増えた事を認識した、と思われますか?
絶対にそんなことはないでしょう。
間違いなく5、6月には具体的な数値は把握できなくとも、そのトレンドは認識できていたはずです。
少なくとも税収が70兆円に達することくらいは分かっていたはずです。
それが出来ないほど、財務官僚がそろいもそろって盆暗ではないはずです。
ならばなぜ、通常国会審議中にそれを国会に報告し、予算審議に反映させなかったのでしょうか?
予測よりも5兆円超えとまでハッキリとは言えなくとも、もっと余裕を持って予算編成できる、あるいは大型補正予算を組める可能性が高いことを告げれば、防衛増税論議や少子化対策予算で紛糾しなくて済んだはずです。
少なくとも防衛増税しなくとも、税収増で賄えると言えば、国民を巻き込んだ反対論も起きなかったはずです。
『2兆6000億円あまりと過去2番目の規模の決算剰余金を計上し、この半分が防衛力強化の財源に活用される』と言うのですから、残りもそれに当てれば、1兆円の防衛増税は不要でしょう?
もともと剰余金なのですから、そうすればいいはずです。
増税や赤字国債発行と違って、反対する意見も少ないでしょう。
そう考えれば、財務省の思惑は透けて見えますね。
何が何でも機会を捉えて増税したい。
それしかないでしょう。
違うというなら、秋の臨時国会で財務次官が『防衛増税は撤回し、自然増収分で賄う』と明言すべきでしょう。
そうしないならば、財務省の思惑はそういうものだと確信してもいいと思います。