景気減速や景気後退(リセッション)は、さまざまな要因や経済指標の変化によって引き起こされる可能性があります。以下では、景気後退のきっかけとなり得る要因と、その際に上昇する可能性が高い投資対象を解説します。
景気減速や後退の主なきっかけ
1. 金融政策の引き締め
- 急激な利上げや金利の高止まりは、企業や個人の借入コストを増加させ、消費や投資を抑制します。
- 中央銀行がインフレを抑制するために引き締めを続けると、過剰に景気を冷やすリスクがあります。
- 注目すべき指標:
- 政策金利の推移
- 長短金利差(逆イールドカーブがリセッションのシグナル)
2. 消費の減退
- 家計の可処分所得が減少することで、消費支出が低下し、企業収益が悪化します。
- 高インフレや失業率の上昇が消費を冷やす可能性があります。
- 注目すべき指標:
- 小売売上高
- 消費者信頼感指数(CCI)
3. 企業業績の悪化
- 売上高や利益率の低下により、企業が人員削減や投資削減を行い、景気後退が加速します。
- 特に耐久財や建設業など、景気循環に敏感な業種が影響を受けやすいです。
- 注目すべき指標:
- ISM製造業景況指数(50以下で縮小)
- 企業収益(特に決算シーズン)
4. 金融不安や信用収縮
- 銀行破綻や信用市場の緊張が起きると、資金供給が滞り、企業や個人が資金を調達できなくなります。
- 注目すべき指標:
- 金融ストレス指数
- バンクローンや企業債のスプレッド
5. 地政学的リスク
- 戦争や貿易摩擦が供給チェーンを混乱させ、コスト増加や生産減少を引き起こします。
- 注目すべき指標:
- 国際原油価格
- 貿易収支
景気後退時に上昇する可能性のある投資対象
1. 安全資産
- 米国債
金利低下が進むことで、特に長期債が価格上昇する可能性があります。 - 金(ゴールド)
リスク回避の動きで需要が高まりやすい。 - スイスフランや日本円
「安全通貨」として買われやすい。
2. ディフェンシブ株
- 景気の影響を受けにくい業種が選好されます。
- ヘルスケア(例:製薬会社)
- 公益事業(例:電力会社、水道会社)
- 生活必需品(例:食品メーカー)
- 高配当株は低金利環境で人気が高まりやすい。
3. 再び注目されるテクノロジー株
- 金利低下局面では、成長株(特にテクノロジー)が回復することがあります。
- ただし、収益性が低い企業よりも収益基盤が安定している大手テクノロジー企業が選ばれる傾向にあります。
4. REIT(不動産投資信託)
- 金利低下により、不動産関連の投資信託が上昇する可能性があります。特にオフィスや住宅向けのREITが注目されます。
5. コモディティ
- 特定の状況では、景気刺激策への期待から原油や農産物価格が上昇する場合があります。ただし、需要減少が続く場合は価格が下がるリスクもあります。
景気後退に備える戦略
- 分散投資を徹底
異なる資産クラス(債券、金、株式)を組み合わせてリスクを分散します。 - 流動性を確保
短期的な現金需要に備えるため、流動性の高い資産を持つことが重要です。 - 景気に強いファンドを選択
SBI証券などでディフェンシブ株や債券型ファンドを検討してみると良いでしょう。
景気後退に向けた動きを予測するのは難しいですが、事前に準備しておくことでリスクを軽減できます。
投資は、自己判断でお願い致します。