今回のトランプ政権と前回の政権を比較すると、いくつかの新たな投資環境の変化があり、それが新しい投資先に影響を与えそうです。
1. インフレと金利の環境
- 前回の政権:インフレは比較的低く、FRBも一部利上げを行いましたが、金利は歴史的に低水準を保っていました。インフレリスクが小さく、企業や消費者は低金利の恩恵を受けやすい状況でした。
- 今回の政権:インフレ率が高まり、FRBも最近まで急速な利上げを行ってきたため、経済や企業の負担が増しています。現在の利下げ局面が続くかは不透明ですが、金利が高止まりするリスクもあり、過去とは異なる市場環境です。
新たな投資妙味:この環境では、金利上昇でメリットを受ける 金融株や配当重視の銘柄 が注目されやすくなります。特に、地方銀行や再保険企業などは今後の金利動向に敏感に反応し、利回り面での優位性があります。
2. エネルギーのシフト
- 前回の政権:化石燃料への投資を積極的に推進し、石油・ガス企業が恩恵を受けました。エネルギー政策が化石燃料に集中していたため、再生可能エネルギー分野は他国に遅れていました。
- 今回の政権:エネルギー政策での転換が起きる可能性もありますが、世界的な脱炭素化や再生エネルギーへの関心が高まっているため、化石燃料だけでなく、 原子力、再生可能エネルギー、カーボンキャプチャ技術 も今後の政策対象に含まれる可能性が高いです。
新たな投資妙味:再生エネルギーに関連した企業や、米国における 原子力技術、カーボンキャプチャ技術を持つ企業が成長性を秘めており、特にエネルギーの効率化やインフラ投資が進む中で注目を集めるでしょう。
3. 地政学的リスクの増大
- 前回の政権:米中関係が悪化し、関税や技術輸出規制などが導入されましたが、相互依存が深かったため、完全なデカップリングは進みませんでした。
- 今回の政権:米中対立がさらに深まる可能性があり、サプライチェーンの見直しが加速するでしょう。半導体、レアアース、エネルギー資源の確保が国家戦略として強化されると考えられます。
新たな投資妙味:米国内での 半導体製造、レアアース採掘、産業用バッテリー の分野は成長が期待されます。特に、サプライチェーンが強化されるセクターや米国内での製造業回帰が推進される分野への投資が注目されるでしょう。
4. AIとテクノロジーの進展
- 前回の政権:テクノロジー分野は急速に成長しましたが、AIやクラウド、ビッグデータの活用はまだ初期段階でした。GAFAのような大手テクノロジー企業が市場をけん引しました。
- 今回の政権:AIやクラウドの需要が急増しており、AIの応用範囲が拡大しています。特に、軍事、ヘルスケア、製造業などでのAI活用が推進され、テクノロジー企業だけでなく、従来の産業でもAIを活用する企業が増えています。
新たな投資妙味:AI関連のインフラやデータセンター、サイバーセキュリティを扱う企業に注目です。また、 製造業やヘルスケア分野でのAI活用 が進むため、それに関連する企業が恩恵を受ける可能性があります。
まとめ
今回のトランプ政権では、金利環境、エネルギー政策のシフト、サプライチェーンの再編、AIの成長 など、前回とは異なるテーマが市場に影響を与える可能性が高いです。
投資は、自己判断でお願い致します。