前回のトランプ政権の政策は、全体的に株価の上昇をもたらしました。減税政策、規制緩和、米国企業への支援が投資家の信頼を高め、株式市場は上昇しました。ただし、金利とインフレの動向は複雑で、FRBの政策も関わってきますので、それぞれについて以下に詳しく見てみましょう。
1. 株高
トランプ政権下で、株式市場は概ね上昇しました。特に以下の要因が株価を支えました:
- 大型減税: 法人税の大幅引き下げが企業収益を増加させ、市場にポジティブな影響を与えました。
- 規制緩和: 環境・エネルギー、金融、製造業の規制が緩和され、これらのセクターでの利益が拡大し、株価の上昇に貢献しました。
S&P 500はトランプ政権期間中、主に上昇し続けましたが、米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの影響による調整局面もありました。
2. 金利
FRBはトランプ政権時に、金利政策の変更をいくつか行っています。
- 利上げ(2017–2018年): トランプ政権が始まった2017年と2018年には、FRBはインフレや経済成長を抑制するために数回の利上げを行いました。2018年末には政策金利は約2.5%にまで上昇しました。
- 利下げ(2019年): しかし、2019年には景気減速や貿易戦争の影響を受け、FRBは3度の利下げを行い、政策金利は再び1.5–1.75%程度に低下しました。
- パンデミックでの緊急利下げ(2020年): 新型コロナウイルスが拡大した2020年には、FRBは緊急利下げを行い、金利をゼロ近辺に引き下げ、景気支援のための金融緩和を行いました。
3. インフレ
- トランプ政権の初期にはインフレは比較的穏やかでしたが、インフレのプレッシャーは減税や雇用増加などの影響で徐々に高まりました。
- 2018年には関税の影響で、特に輸入品価格が上昇し、一時的にインフレが進む傾向も見られました。しかし、全体的には急激なインフレ加速は発生していませんでした。
- コロナ危機以降、FRBの金融緩和が続いたこともあり、パンデミック後にインフレが顕著に高進するようになりました。
4. トランプ政権と金利政策の関係
トランプ前大統領は、FRBの利上げに対して批判的でした。彼は頻繁にFRBに対して低金利を求め、景気をさらに刺激しようとしました。特に2018年の利上げ局面では、FRBに対して圧力をかけたとされています。
結論
トランプ政権下では、減税や規制緩和が株価を押し上げ、経済は拡大しました。インフレは一部で上昇したものの、2019年の利下げやコロナ禍での緊急対応が、最終的に金利をゼロ近辺に留めました。このような環境が、トランプ政権初期の株価上昇に寄与しましたが、長期的なインフレ上昇はパンデミック後まで顕著には現れていませんでした。
投資は、自己判断でお願い致します。