前回のトランプ政権(2017年–2021年)で実施された主要な政策は、減税や保護主義的な貿易政策、規制緩和を中心に、アメリカ国内産業の強化と経済成長を図るものでした。以下に、代表的な政策の内容をまとめます。
1. 減税政策(Tax Cuts and Jobs Act)
- 法人税の大幅引き下げ: 企業の法人税率を35%から21%に引き下げ、企業利益を増加させて、投資を促進しました。
- 個人所得税の減税: さまざまな所得層にわたって税率が引き下げられ、一部の控除も廃止されましたが、納税者への還元が強調されました。
- 一時的な減税: 一部の減税措置は期限付きで、特に個人向け減税は2025年までとなっていました(法人向けは恒久的)。
2. 保護主義的な貿易政策
- 関税の導入: 「アメリカ第一」政策の一環として、特に中国や他国に対して追加関税を導入しました。
- 中国への関税: 米中貿易戦争の一環として、中国製品に高い関税をかけ、知的財産権の侵害や貿易不均衡を是正しようとしました。
- 鉄鋼・アルミニウム関税: 安全保障を理由に、世界各国からの鉄鋼とアルミニウムに高関税をかけ、国内産業の保護を図りました。
- USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定): 北米自由貿易協定(NAFTA)を改定し、労働者保護や自動車製造のルールを強化することで、米国内の製造業を支援しました。
3. 規制緩和
- 環境規制の緩和: パリ協定からの脱退を決定し、エネルギー産業や製造業向けの環境規制を緩和しました。これにより、石油・ガス産業などのエネルギー企業が成長しやすくなりました。
- 金融規制の緩和: ドッド・フランク法の規制を一部緩和し、特に地域銀行に対する規制が緩和され、中小規模の金融機関の負担を軽減しました。
4. インフラ投資
- トランプ政権下では大規模なインフラ投資計画が議論されましたが、十分な予算が確保されず、大規模な投資は実施されませんでした。しかし、再選した場合は引き続きインフラ投資が焦点になる可能性があります。
5. 移民政策
- 不法移民対策の強化: メキシコとの国境に壁を建設するなど、不法移民の流入を抑制するための政策が推進されました。
- 移民の制限強化: 難民やビザの審査を強化し、合法的な移民の流入も抑制する政策が採られました。
6. 医療政策
- オバマケア(医療保険制度改革)の廃止と代替法案を提唱しましたが、全面的な廃止には至らず、部分的な見直しに留まりました。
今後の展開
もし再びトランプ政権でこれらの政策が引き継がれる場合、特に減税や関税措置の再強化が考えられます。また、インフラ投資が実現に向けて加速する可能性もあります。
投資は、自己判断でお願い致します。